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車格アップ&ラインナップ拡大で攻めた2代目レオーネ
時代が要請する安全性も備えた、本格的な4WD乗用車
車格アップ&ラインナップ拡大で攻めた2代目レオーネ
名車と呼ぶほどではないかもしれないけど、メーカーや時代にとっては重要な役割を果たした「忘れがちな銘車」、今回は歴代スバル レオーネの中から2代目の紹介です。
軽自動車を除けば国産初のFF乗用車だったスバル1000以降、「コンセプトやメカニズムは素晴らしいし、モノはいいんだけど、内外装が地味で特別感が乏しく、整備性もイマイチ」というイメージから転換すべく、スポーティ&デラックス化した初代レオーネ。
4WDの追加で「国産初の4WD乗用車」という称号も手に入れ、1979年に2代目へモデルチェンジすると車格アップ、コンパクトで経済的なスイングバックや、「ワゴンのスバル」の原点となるツーリングワゴンもラインナップしました。
時代が要請する安全性も備えた、本格的な4WD乗用車
1979年6月にスバル レオーネは2代目へモデルチェンジ、当初4ドアセダンのみから始まり、7月に2ドアハードトップ、10月にエステートバンと3ドアの「スイングバック」および待望の4WD車も追加され、ひとまずラインナップを完成させました。
日本版マスキー法と呼ばれるほど厳しかった「昭和53年排ガス規制」は、排ガス浄化装置SEEC-Tの改良でクリアしていたスバルは、最大の販売先である北米市場でもっとも重視されていた、衝突安全性能に力を入れた改良を施します。
その結果、安全性は高まったものの、当時のフラッシュサーフェス(平滑化)やウェッジシェイプ(クサビ型)といった流行からはかなり縁遠いデザインとなり、4WD車の高い最低地上高による腰高感も重なって、ライバルより何とも無骨な姿ではありました。
ただ、安全性向上に伴うボディ大型化、エンジンも1.4〜1.6リッター級から1.6〜1.8リッター級へと拡大されて、トヨタ カローラや日産 サニーというより、同コロナやブルーバードに近い車格へと格上げされています。
最大の特徴である4WD機構は最終的に全モデルへ設定され、特に2ドアハードトップはマイナーチェンジで、1.8リッターターボ+4WDの「RX」のみへと整理されました。
4WD機構もパートタイム4WDなのは従来通りですが、副変速機を搭載した4速×2の実質8速MT化(1.8リッター車のみ)、3速ATの追加、4WDのAT車に湿式油圧多板クラッチで後輪への駆動力配分を制御する「MP-T」を搭載するなど、より高度な技術を用いています。