①新しい企画を考える(頭を使う難しいタスク)
②経費精算(簡単なタスク)

どのタスクをどのセクションに取り組むべきか、認知リソース(いわゆる「意思力」のような概念)の基準をもとに割り振ろう。

①の「新しい企画を考える」は、どのセクションに入れるべきか。このタスクは頭を使う作業となるので、認知リソースを多く使いそうだ。それならば早い時間帯のセクションA(7〜9時)やセクションB(9〜11時)に取り組んだほうが、疲れがたまってくる夕方よりずっと効率がいいし先送りも防げるだろう。それならひとまずセクションAに割り振ろう。こんな感じでセクションを決めていく。

では②の経費精算はどこがよいか。この作業は認知リソースをあまり使わなそうだ。セクションAやBは認知リソースを多く使う①のようなタスクのために確保しておきたい。なので私なら②の経費精算はセクションE(15〜17時)以降に取り組もうと考える。

このようにタスクリストを作るということは、今日やらなければいけないタスクをそれぞれが適したセクションに割り当てていく作業と言える。先程の例で見た通り、認知リソースという軸を使えばパズル感覚でどのタスクをどのセクションに取り組むか考えられるようになる。

もし今日やらなければいけないタスクが20個あったとしたら、まっさらなエクセルシートを使って1日のタスクリストを作るのは簡単ではない。しかしセクションがあれば、タスクリストは簡単に作れるようになる。

ちなみにセクションは必ずしも2時間で区切らなければいけないわけではない。また、A〜Fまでの6つしか作ってはいけないわけでもない。セクションを作る目的は、タスクリストを作りやすくするためだ。

なので3時間毎に区切ってもいいし、セクションも必要に応じて増やしてもらってかまわない。もちろん7~9時は業務外ということであれば、9時スタートでも問題ない。

ただしまずは2時間で区切ることからはじめてみてほしい。ひとつのセクションの時間が長すぎるとセクションを作る意味が薄れるからだ。タスクリストを作ることに慣れてきたら、必要に応じて自分の好みに合わせるのがオススメだ。

滝川 徹(タスク管理の専門家) 1982年東京生まれ。慶應義塾大学卒業後、内資トップの大手金融機関に勤務。長時間労働に悩んだことをきっかけに独学でタスク管理を習得。2014年に自身が所属する組織の残業を削減した取り組みが全国で表彰される。2016年には「残業ゼロ」の働き方を達成。その体験を出版した『気持ちが楽になる働き方 33歳大企業サラリーマン、長時間労働をやめる。』(金風舎)はAmazon1位2部門を獲得。2018年に順天堂大学で講演を行うなど、現在は講演やセミナー活動を中心に個人事業主としても活動している。

■あなたの仕事が終わらないのは「見えない時間」を考慮に入れていないから滝川徹  時短コンサルタント) ■仕事の先延ばしグセは時間帯を見直すことで回避できる(滝川徹 時短コンサルタント) ■リマインダーの効果をあなどるなかれ。集中力爆上がりの活用法とは(滝川徹  時短コンサルタント) ■AIに仕事を奪われる時代でも人間に残る、ある貴重なスキルとは滝川徹  時短コンサルタント) ■先延ばしグセを辞めたいなら、村上春樹のように仕事に取り組め(滝川徹  時短コンサルタント)

編集部より:この記事は「シェアーズカフェ・オンライン」2024年4月19日のエントリーより転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はシェアーズカフェ・オンラインをご覧ください。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

【関連記事】
「お金くばりおじさん」を批判する「何もしないおじさん」
大人の発達障害検査をしに行った時の話
反原発国はオーストリアに続け?
SNSが「凶器」となった歴史:『炎上するバカさせるバカ』
強迫的に縁起をかついではいませんか?