CEOは大量の過去問で成績UP、小さな町から名門大学に合格

CEO兼CTOのDacod Magagula氏は南アフリカ共和国東部ムプマランガ州の田舎町出身で、7歳まで自宅に電気がなかったという。1クラス平均50~70人の学校に教師はおらず、数少ない教科書を生徒数人で共同使用するという状況だった。

高校生の時、ゲームをしたくて弟と共同でコンピューターを購入したことで転機が訪れる。試験の過去問やその他PDFなどを気軽にダウンロードできるようになったのだ。過去問のおかげでDacod氏は南アフリカの高校卒業試験である「Matric(マトリック)」をトップで通過。母校史上最高の成績を収めて卒業しただけでなく、その高校出身者として初めて名門ケープタウン大学に合格した。

高校生時代のDacod Magagula氏。Image Credits:FoondaMate

卒業試験の準備中、Dacod氏はクラスメートに過去問を共有したかったが、彼らはPDFファイルを開けるデバイスを所有しておらず、プリントアウトするお金もない。Dacod氏の自宅に親友5人を招き、パソコンを囲んで一緒に勉強するしかなかった。

ケープタウン大学でコンピューターサイエンスを専攻、プログラムが書けるようになったDacod氏は卒業後にソフトウェアエンジニアとして勤務。WhatsApp上で動作するプログラムによって高校時代の親友たちのような学生に教材を提供できることに気づいたのだ。

大学入学後、自分が恵まれた環境にいたことに気づいたCOO

対照的に、COOのTao Boyle氏は恵まれた環境で質の高い教育を受けてきた側だった。教育資源の豊富な学校でクラスの人数は約12人。Tao氏なりに努力して常に成績優秀であり続け、「努力すれば誰でも良い成績を取れるもの」と素直に信じていたという。

Tao氏も首席で高校を卒業するが、大学入学後に同級生たちと自分の環境の違いに気づかされる。同級生たちがTao氏と同じ成績を取るために3倍の努力をしなくてはならなかったのだ。

ニューヨーク留学時のTao Boyle氏。Image Credits:FoondaMate

「努力できる環境」自体が平等に与えられていないことを理解したTao氏。あらゆる人に学問の機会が開かれていてほしいと考えるようになり、FoondaMateのアイデアをDacod氏から聞いてすぐに賛同。共にチャットロボットを開発、起業に至ったという流れだ。