■100年前からそんな気遣いを…

まずは「ブルドックソース」のルーツを確認したところ、同社の担当者からは「創業当初のは『三澤屋商店』という屋号で、ソースを作って一斗かめに入れて量り売りをしていました」との回答が。

当時は問屋からの委託による販売が主流で、それぞれ「委託店のブランド」として販売されていた中、同社独自の販路によるソースは「犬首印」のブランド名で出荷していたという。

誰もが知ってるこのソース、5割超が正式名を誤解していた 実は「ブルドッグ」は誤りで…
(画像=『Sirabee』より引用)

しかし、委託店ブランドの中には「狼印」の名前で販売されている商品があり、こちらはラベルに狼が描かれていた。そこで同商品との差別化を図るため、当時ペットとして人気の高まっていた「ブルドッグ」を採用したのだ。

誰もが知ってるこのソース、5割超が正式名を誤解していた 実は「ブルドッグ」は誤りで…
(画像=『Sirabee』より引用)

ブルドックソース担当者は「ソース発祥の地であるイギリスで、ブルドッグは国犬として愛されていました。日本のソースの美味しさもブルドッグ同様に人々に広く愛されるようにと、商品名と社名に採用しました」と、命名の背景について説明している。

誰もが知ってるこのソース、5割超が正式名を誤解していた 実は「ブルドッグ」は誤りで…
(画像=『Sirabee』より引用)

また、創業者・小島仲三郎氏は「呼びやすいように」ということで、あえて濁点をとった「ブルドック」という社名を採用したそうだ。

日本人は「促音」+「濁点」からなる単語の発音が苦手であり、先ほど例に挙げたような「ビッグ」(ビック)のほか、「バッグ」(鞄)や「ベッド」を「バック」(戻る)、「ベット」(賭ける)と発音してしまうケースは、令和の現代でも珍しくない。

そのため小島氏があえて濁点をとったのは、非常に画期的なアイデアと言えるだろう。