ワクチンの追加接種回数もマスクの着用も世界一の日本が、世界最多の感染者数であることには首を傾げるほかはない。

国内でも5歳〜11歳のワクチン接種率が全国で最も高い秋田、山形県の10歳未満の新規感染者数が、接種率の最も少ない沖縄県や大阪府よりも多いことが報道されている。

私自身も、10月24月付のアゴラで「4回目ワクチン接種でコロナの感染は増加する?」という論考を投稿したことがある。論考ではワクチンの接種率が上位5県と下位5県のワクチン接種率と10月11日から17日までの人口100万人あたりの新規感染者数との相関を検討した。対象は、全年齢層である。ワクチン接種率の上位5県は、秋田、山形、福島、長野と北海道で寒冷地方に属した。一方、ワクチン接種率が下位5県は、沖縄を筆頭に東京、大阪、愛知、福岡の大都市圏であった。

小児と同様に、ワクチン接種率が全国で最も高い秋田や山形の新規感染者数が最も多く、反対にワクチン接種率が最下位の沖縄県が、新規感染者が最も少ないという結果であった。ワクチンの接種率と感染者数が逆相関することを予想したのであるが、10県の分布を見ると逆に正の相関がみられた。

観察された結果について、10月27日に開催された参議院労働委員会で川田龍平議員が「ワクチンの接種率と新規感染者数との関係をどう思うか?」と質問したところ、佐原康之健康局長は「各都道府県で、年齢構成やこれまでの感染状況が異なるので、ワクチンの接種率のみで、人口あたりの新規感染者数が多いのか少ないのかを判断するのは困難ではないか。」と答弁した。