太平洋と大西洋をつなぐ重要な海上交通路のパナマ運河が、かつてない水不足で危機状態にあるという。110年間の歴史の中で、2番目に乾燥した年に当たるとして危惧されている。『BBC』がレポートした。

■乾季の水不足が深刻化

アメリカ大陸で有名な水路の一つであるパナマ運河の水位が、急速に低下しているという。パナマ運河は淡水湖であるガトゥン湖から水が供給されており、その湖の水位が危機的なほど低下しているのが原因だ。

現在、運河の水位は通常よりも5フィート(約1.5メートル)低下しており、スムーズな運営への影響が懸念されている。

その原因のひとつとして、2023年10月は記録的な乾燥月になり、通常の降水量の41%も少ない降水量しか記録されなかった。この干ばつにより、貨物流通に年間約2,700億ドル(約40兆円)ものダメージを与えると予想されている。

雨不足とエルニーニョ現象が重なったことで、運河110年の歴史の中で2番目に乾燥した年になっているのだ。