■食べることが“絆を深める体験”に
番組放送時のニコールさんは、体が大きすぎて自力でシャワーを浴びることさえできなかった。そのため、チャーリーさんに手伝ってもらいながらテラスに出て、ホースの水で体を洗い流してもらうのが日課となっていた。
日常生活に困難を抱えるニコールさんだが、チャーリーさんと一緒に食料の買い出しに出かけることは止められなかった。2人にとって、食べることは“絆を深める体験”となっていたからだ。「食べ物の買い出しは、私にとって唯一の楽しみですが、簡単には行けません」と語るニコールさん。体が大きすぎて電動カートに乗ることができないため、専用の車椅子を使って店内を回るのだ。
ニコールさんは食料の買い出しを“ロマンチック”な行為だと捉えている。チャーリーさんと一緒に何かをできる唯一の時間だからだ。しかし、買い物が終わった後はすぐに「帰宅して食べるのを待てない」衝動に駆られるという。旺盛な食欲にニコールさんは身も心も囚われてしまっている。
そんなニコールさんは、自らの病的な過食を治療するため、テキサス州ヒューストンに引っ越した。肥満専門医ヨウナン・ナウザレイダン博士のもとでダイエットを試みるとともに、胃を切除する減量手術を受けるためである。ヨウナン博士はニコールさんに体重を50ポンド(約23キロ)落とすよう指示した。ニコールさんは最初の月で11ポンド、次の2カ月で6ポンドしか体重を落とせなかった。しかし、その後の1カ月でさらに32ポンドのダイエットに成功し、減量手術を受けることが認められた。