各ドラマ初回の明暗
個人視聴率(スイッチメディア「TVAL」より)では『さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~』(TBS系)が存在感を示した。全世代で高い視聴率となり、TBS日曜劇場の強さを改めて見せつけた。テレビ朝日の『相棒』や『グレイトギフト』も個人全体で高い。ただし若年層にはあまり見られておらず、同局特有の中高年に強いドラマの路線を踏襲した。
対照的なのが日本テレビの『新空港占拠』や『となりのナースエイド』だ。高齢者に弱いため、個人全体は必ずしも傑出しない。ただしコア層・Z世代・女子高生など若者によく見られ、しかも企業に勤める管理職にも強い。親世代が子と一緒に見ており、さらに購買力のある家庭が多いので、スポンサーにとってはCM出稿したい番組となっただろう。ビジネス重視という同局の姿勢が現れた番組だ。
ところが今期は、以上のパターンと異なるドラマが登場した。阿部サダヲ×クドカンによる『不適切にもほどがある!』だ。75歳以上でこそ苦戦したが、若年層でも50~60代でもよく見られた結果、個人全体は3位と好位置につけた。しかも管理職や好奇心旺盛な層によく見られ、やはりスポンサーにとってニーズの高い番組となっていた。