■「寝付けない時は布団から出る」

では、寝付けない時はどうすればいいのだろうか。この疑問をぶつけたところ、前出の矢野さんから「布団から出る」という驚きの答えが返ってきた。

「体感で15分以上眠れない時間が続いたら、布団から出ましょう。脳は場所とセットで記憶します。例えば、『布団=スマホでYou Tubeを見る場所』と認識してしまうと、布団に入ったらスマホをいじらないと落ち着かなくなってしまいます。夜、布団で眠れない時間が長くなり、『布団は寝られない場所』と脳が記憶してしまうと、自律神経のバランスが乱れます」(前出・矢野さん)。脳が誤った認識をしないよう、一度布団から離れて別の場所に移動することが大切なのだ。

ただ、布団から出ても、先述した理由からスマホをいじってしまっては意味がない。場所を変えてするべきことは…。

「読書をしましょう。読む本は、続きが気になる漫画ではなく、哲学書のような少し難しいものがいいです。時間を意識せず、眠れそうだと思ったら布団に戻りましょう。呼吸瞑想もおすすめです。雑念を抱かず、息を吸う時と吐く時に意識を全集中します。できればリビングなど別の場所に移動することを推奨しますが、部屋が狭いのであれば頭と足の向きを逆にしたり、布団で座りながら本を読むなど体勢を変えるだけでもいい。寝転んだ時に見える光景や体勢を変えることでも、間違った脳のインプットを軽減できます」(前出・矢野さん)。

意地でも寝ようと布団に居続けるのではなく、場所や体勢を変えて眠く感じるのを待つのが大切ということだ。