国際的なゴミ問題解消に向けて
ゴミ問題への対処と循環型経済の確立は、企業や政府だけでなく、私たち消費者も自分ごととして考えなくてはならない。海洋に放出されるプラスチックが魚の生態系を一変させれば、私たちの生活も大きな影響を受けるだろう。
――廃棄物管理は世界的な課題ですが、国ごとに状況や文脈は異なります。この複雑な問題に取り組み解決するために、消費者、政府、企業はどのような役割を果たすべきでしょうか?
Abhay: ゴミの管理の課題に取り組むには、消費者、政府、企業が協調して努力し、それぞれが持続可能で重要な役割を果たす必要があります。
消費者はゴミ削減の最前線に立つ存在です。リデュース、リユース、リサイクルの原則を守ることで、自分が出したゴミによる環境への影響を大幅に減らすことができます。
政府は強固な廃棄物管理規制とインフラを整備するとともに、国民の意識向上と教育を促進することで貢献します。これは、効果的な廃棄物管理と環境保全のために不可欠です。
企業は、事業活動にサステナビリティーを組み込むことで大きな変革を推進できます。環境に配慮した慣行を採用し、ゴミの管理企業と協力すれば、自社の環境への影響を最小限に抑えることが可能です。
――廃棄物管理の問題に取り組むにあたって、Recykalはこれらのステークホルダーとどのような協力関係を築いていますか?Abhay: Recykalは、特定品目の管理ニーズに対応するために、オーダーメイドのソリューションを提供し、さまざまなステークホルダー間の協力関係を強化しています。
リサイクル業者に対しては、リサイクル可能な品物の効率的な処理と追跡を支援します。一方、製造業者にとっては、追跡可能なリサイクル促進によって、環境コミットメント履行と高い透明性が保証されるというメリットがあります。
回収業者にとってのメリットは、安定需要と明確な価格設定ですね。これにより、競争の激しいリサイクル市場での成長が可能です。一般消費者に対してはポイ捨て防止や分別改善といった行動変化を促進し、リサイクルの全体的な効果向上と公衆衛生に貢献しています。――将来的に、Recykalはインドで得た知識と経験を活かした海外展開を考えていますか?
Abhay: インドで実証した戦略と技術を活用して、世界的なゴミ管理の課題に取り組むための国際的な機会を模索しているところです。国境を越えた効果的な戦略の実施、世界中で持続可能な慣行の促進を目指しています。
また、複雑な社会課題への打開に向けて、高い技術力と実地調査でアプローチする姿勢に素直に感銘を受けた。快く取材に応じていただいたDeshpande氏とRecykalのメンバーに感謝の意を表したい。
参照:Recykal
(文・松本 直樹)