専用アプリでリサイクル貢献度やポイントを確認・利用

Plastichero AI Robot自体がIoT機器なので、具体的な回収量や累計重量、作動状況、CO2削減量なども管制システムがモニタリングしてくれる。利用者はPlasticheroアプリで「自分がどれだけ資源回収に貢献したのか」を実感できる仕組みになっているのも、ひとつの楽しみにつながる。

Image Credits:Plastichero

韓国語版アプリでは、稼いだPHT (Plastichero)メインネットコインやPTH-ERC20トークンを簡単に貯蓄できるとのこと。貯めたコインは、アプリを経由して提携企業のギフト券や商品と交換可能だ。

こうして誰もがペットボトルを資源に回す習慣をが確立されれば、CO2の大幅削減にも直結する。コカ・コーラの日本公式サイトを見ると、「100%リサイクルPETボトルは、1本あたりCO2排出量を約60%削減」するとある。6割のCO2排出削減は、絶大な量と言っていいだろう。メーカーの努力により、店頭に並ぶペットボトル飲料のすべてが再生品という状況が実現しようとしている。

リサイクル全体で最後のハードルである「出す側の負担軽減」と「資源化までの工程削減」も、Plastichero AI Robotのような回収機の登場で乗り越えられる日も近いようだ。

日本では農協の施設に設置する構想も

ブースで聞いた話では、日本全国の農協施設にPlastichero AI Robotを設置する構想があるという。

日本のPlastichero AI Robot設置場所は、現時点では首都圏のみとなっている。Image Credits:Plastichero

大都市圏外や地方都市の住民にとって、農協施設は極めて身近な存在だ。筆者は静岡住まいだが、農家ではない母も何かにつけて近くの農協の施設へ足を運び、直売の野菜を買ってくる。最近では農協に加入しない農家が増えたと聞くが、それでも筆者の身の回りでは、農協は地域住民に大きな影響力を発揮しているという肌感がある。どこに設置したら日本人の生活に浸透するか、新しいものを普及させるためにecocentreがよく研究していることがうかがえる。

21世紀も20年以上が経った今、だれもがCO2削減やペットボトルの100%再生といった環境保護事業に無関心ではいられないはずだ。こうした事業に多くの人や企業が本気で取り組んだとしたら、その影響は大きなものになるだろう。