■「労基の回答」に耳を疑うが…
まずは労働基準局監督課 担当者に、今回のツイートの概要を説明し「有給取得時に理由を聞き出すのは違法か」「有給理由に『私用』を認めないのは違法か」の2点について確認することに。
すると担当者はこちらの回答に先行し、事業者側が有する「時季変更権」という権利が存在することを説明。こちらは「どうしてもその人物でないとできない仕事」などが存在し、事業の正常な運営を妨げる場合のみに限り施行できる権利で「従業員の有給取得を別の時季に変更できる」というものである。
その上で「有給取得時に理由を尋ねる行為も、有給取得の説明に『私用』を認めない行為も、違反には当たりません」との回答を寄せてくれたのだ。
■「理由」でなく「有給」を認めない場合は…
近年ネット上で声高に叫ばれていた通説が覆り、衝撃を受けた思いだが…2つの行為はどちらも違反に当たらないものの、前者であれば「しつこく、過度に有給理由を尋ねた」場合は、ハラスメントに抵触する可能性がある。
また、後者は正確に言えば「有給取得の理由に『私用』を認めない」ことに対する回答であり、有給取得の「理由」ではなく「希望日の有給そのもの」が認められなかった際、初めて「違法」となるのだ。その際に前出の「時季変更権」が施行されたか否かが重要となってくる。

少し分かりづらいかもしれないが「有給取得の理由に『私用』を認めなかったが、最終的には希望日の有給取得を認めた」というケースであれば、違反には当たらないということである。他にも「有給」として申請したにも関わらず、「欠勤」として処理され、減給が生じる場合なども違法となることも明記しておきたい。
一見すると「有給の理由を聞き出そうとする」行為はブラック企業のお家芸に感じられるが、今回のツイートに対しては「理由によっては有給以外の特別な休暇で消化できるケースもあるので、その確認では?」という意見も寄せられていた。
有給理由に対する会社側の質問を「ゴングの音」のように感じている人も、質問の意図を確認してみると、思わぬ発見があるかもしれない。
(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)
提供元・Sirabee
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