■SNSの普及も要因の1つか
自分に自信が持てないために、エピソードを誇張してしまう学生が多いのだろう。こうした学生が増えた背景には、近年のSNSが広く普及したことも関係しているという。
寺口氏は、「SNSを見る時は大体一人でいる時が多いと思います。その際、自分は一人でいるのに、SNSでつながっている友人達が楽しそうにしていると、比較してしまいがちです。他人の充実した様子と比べて、自信をなくしたり、孤独に感じたりします。また、加工のカジュアル化により、盛るのが当たり前になったことで、美化された自分に慣れてしまい、本来の自分を出すことに対する抵抗感が高まっているのかもしれません」と話す。
本来、比べる必要のないことを比較した結果、自分に自信を持てなくなってしまうのだ。
コロナ禍で「ひとり時間」が増えたことも、この傾向に拍車をかけているという。寺口氏からは、「他人とコミュニケーションを取ることに苦手意識が生まれ、他人とあまり深い話ができず、自分を分析する機会も減っているのだと思います。本来であれば、他人と深く関わる中で自分が見えてくるものなのですが…」というコメントが寄せられている。
こうして自己肯定感が下がった結果、面接でも本来の自分より良い姿を見せないといけないと思い込み、面接で「すごいことを言わないと…」と焦ってしまうのかもしれない。