再生の鍵は、街区全体の連携強化

 では、今後の汐留の状況はどうなるのか。

「現在、JR・高輪ゲートウェイ駅周辺の開発が進んでおり、大規模なオフィス群や商業施設ができる予定です。2025年頃に順次開業予定の施設で、駅直結のオフィスも備えており、汐留よりもアクセスが良好。汐留からテナントが移転する可能性があり、今後はより厳しい状況を強いられそうです」(同)

 それでは、汐留が活気を取り戻すにはどうすればよいのだろう。

「とはいえ、各施設や建物を個別に見れば魅力的です。街区全体に有機的なつながりをつくれば、人々が往来するようになり、賑わいを取り戻す可能性はあるでしょう。そう考えると、汐留の街区全体の会員になることで、企業同士の施設を相互利用できるようにするなど、連携を強化する動きをしていくことが、活気を取り戻すことにつながるのではないでしょうか」(同)

 現在、汐留では新たな魅力を創出する動きも進んでいる。今年8月、「カレッタ汐留」にオープンした「汐留横丁」には、約390平方メートル(8月時点)の広大な空間に、ネオ居酒屋やワイン角打ち、経営者のみが入店できる会員制のバーなどのユニークな店舗が出店。店舗のメニューを横断的にセルフオーダーできる画期的なシステムも採用し、おしゃれなフードコートとして話題を呼びそうだ。確かに、汐留は衰退の兆候が見て取れるが、活気を取り戻すための取り組みを続けている。今後、汐留がどういう変遷を辿るのか、注視していきたい。

(文=福永太郎/編集者・ライター、協力=牧野知弘/オラガ総研代表)

提供元・Business Journal

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