モードごとに異なる乗り味となるTHE BEAST。
RAINモードは雨天で安心!

試乗当日は雨。降水量は多くないものの、朝から降り続いていて路面は完全ウェット。
デフォルトのエンジンモード設定は「STREET」で、エンジンはフルパワー190PSとなる。スロットルレスポンスはリニアで、トラクションコントロールとウイリー制御もセットされた状態となっている。
まずはSTREETモードで走り出したが、トラクションコントロールが設定されていることもあり、不意にテールスライドするようなことはなかった。スロットル操作に対するエンジンレスポンスもシャープすぎず、マシンコントロールしきれないという恐怖はなかったが、190PSのフルパワー状態とあって、スロットル操作は慎重になった。
SPORTモードはスロットルレスポンスがシャープになり、トルクとパワーの立ち上がりもクイック。リヤタイヤもある程度のスリップが許容された状態となる。アイドリングから少しスロットルを開けただけでもトルクとパワーをハッキリと体感でき、まさにTHE BEASTのような獰猛さが感じられた。ウエット路面ではマシン挙動がシャープすぎるように感じ、スロットルはほぼ開けることができなかった。
RAINモードは出力が130PSに制限され(それでも充分すぎるほどパワフルだが)、トラクションコントロールも最大限発揮される設定となる。スロットル操作に対するエンジンレスポンスもマイルドになっているが、ウエット路面ではそれがスロットル操作のしやすさに感じられる。標準装備されたミシュランPower GPはウェット路面でも確実なグリップ力を発揮し、前後サスも硬さは感じず、路面の接地感を伝えてくれるので安心感がある。
トラクションコントロールの介入度は高い設定だが、試乗時にはスロットルレスポンスに不自然さは感じず、スムーズに走り続けることができた。ブレーキとクラッチのレバー操作は軽く、ハンドリングも自然でクセがなく、操作性は軽快。雨天で気温も10℃と低かったものの制動力は確実に発揮され、それもマシンコントロールのしやすさとして感じられた。SPORTモードでのフルパワーの走りを試すことはできなかったが、ウェット路面でのRAINモードはマイルドさが扱いやすさとして感じられ、不安のないライディングを楽しめるのが分かった。
フレームは2020年モデルをベースとしているが、最新LC8エンジンの190PSのパワーをしっかりと受け止めつつ、130PSに制限されたRAINモードでも硬さを感じさせないよう剛性と重量バランスが調整されていた。長年に渡って熟成したフレームに、最新のエンジンと電子制御サスを搭載することで、誰もが扱いやすいマイルドさとサーキットでのパワフルかつシャープな走りを両立させている。モード変更で乗り味を大きく変更でき、幅広い楽しみ方をできるのが1390 SUPER DUKE R EVOのキャラクターとなっている。
全長/全幅/全高 | NA |
装備重量 | 212kg(燃料含む) |
ホイールベース | 1491±15mm |
シート高 | 834mm |
エンジン型式 | 水冷4ストロークDOHC V型2気筒 |
総排気量 | 1350cc |
最高出力 | 140kW(190PS)/10000rpm |
最大トルク | 145Nm/8000rpm |
燃料消費率(WMTCモード値) | NA |
燃料タンク容量 | 約17.5L |
ブレーキ形式 | 前ダブルディスク、後ディスク |
タイヤサイズ(前/後) | NA |
ボディカラー | オレンジ、ブラック |
価格 | 269万9000円 |