1390 SUPER DUKE R EVOの足着き性をチェック

シート高は834mmで、身長172cmのライダーがまたがるとカカトが少し浮いた状態となる。上半身が少しだけ前傾するが、ハンドル、シート、ステップの位置に違和感がなく、ライディングポジションは快適。上半身をさらに少し伏せると、フロントに荷重することができ、サスペンションの動きも分かりやすくなる。車体の重心位置を低く感じるので、乗車状態で重さも感じず、つま先立ちでも足着き性に不安はなかった。

アップタイプのバーハンドルは広すぎず、ハンドリング操作も軽快に行なえ、マシンコントロールのしやすさに大きく貢献している。カウルのないDUKEシリーズは、マシン前方の視界も開けている。シートは前後方向に余裕があり、それがライディングポジションの自由度の高さにもなっている。シートは薄手ながらクッション性も確保し、座り心地も良好だ。

最新の電子制御でエンジンとサスペンションの特性を幅広くセッティングできる

TFTダッシュボードはフルカラーで視認性も良好だ。

5インチTFTダッシュボードには、速度やエンジン回転といったマシン情報を表示するだけではなく、エンジン特性やサスペンションセッティングの変更を確認することもできる。

エンジン特性は「STREET」「SPORT」「RAIN」の3つのモードが標準装備され、さらにオプションで、サーキット走行向けの「TRACK」と、よりきめ細かくセッティングできる「PERFORMANCE」を追加することができる。TRACKモードはリーンアングルと加速度の確認ができ、ラップタイマー機能も使用できる。

フロントはWP製セミアクティブ・テクノロジー(SAT)を採用した電子制御サスペンションを装備。マグネティック・バルブを使用した可変ダンピング機能を持ち、市街地での快適な乗り心地からサーキット走行に適した特性まで幅広く調整できるのが特徴だ。

リヤのWP製APEX SATショックアブソーバーには新たなセンサーを搭載し、ストローク量と加速度の両方を測定。より正確なバルブ作動を実現し、良好な乗り心地とトラクション性能向上に貢献している。

オプションの「SUSPENSION PRO PACKAGE」を使用すると、「TRACK」と「PRO」の2つのサスペンションダンピングモードが追加され、自動レベリングプリロード設定とアンチダイブのオン・オフ機能が追加される。さらに、MotoGPファクトリーマシンRC16からフィードバックされた「ファクトリースタート」も使用可能となる。停止時にリヤショックのプリロードが自動的に減少し、リヤの車高を下げることで後輪に荷重してグリップ力を最大限に発揮させる機能で、直進安定性を向上させ最高のスタートを決められるようになる。

これらのセッティング変更は、ハンドル左側のスイッチを操作することで行なえる。スイッチはグローブのままで操作しやすい形状で、ディスプレイ表示もソフトウェアをアップデートしたことで、少ないクリックでさまざまな機能に素早くアクセスできるようになっている。ハンドル右側はハザード、エンジンスタート/キルスイッチが配置される。

フロントブレーキは4ピストンのBrembo Stylemaモノブロックキャリパーをラジアルマウント。Brembo MSCラジアルブレーキシリンダーを装備し、レバーストロークとレバーレシオを変更できる。スイングアームは片持ち式で高剛性と軽量化を両立している。前後タイヤはミシュランPower GPを標準装備。デュアルコンパウンド技術を採用し、ウェット路面でも安定したグリップ力を発揮する。