ロープをいかにかわすかがキモ
戸松さんはヤエンがスムーズに落ちていくように、磯ザオを上下に操作する。そしてアワセを入れた瞬間……、グンッと止められて動かなくなってしまった。恐れていたことが起こってしまった。完全にロープに巻かれてしまったようだ。この時点で生命反応が消えており、イカはすでに逃走した模様。
山根さんいわく、「ジェット噴射の間隔からすれば間違いなくキロオーバー」とのこと。走るストロークを見れば、だいたいの大きさが想像できるという。
泣く泣くミチイトを切って、仕掛けを組み直す戸松さん。「イカダのヤエンの宿命ですね」と言う。そう、イカダでは必ずアンカーとイカダをつなぐロープが入っている。このロープをいかにかわすかが、最大のキモとなりそうだ。
昼から状況が一変
この直後、山根さんに待望のヒット。ボトムでじっくり漂わせていたエギをひったくったのは、目つきがいかついコウイカ。本命ではないが、待望のヒットに山根さんの顔もほころぶ。
続けて沖向きで乗せたのは、なんとアカイカ(ケンサキイカ)。イカメタルのターゲットだが、湾内にも入ってくるとは……。
サビキでアジを釣ってエサ補充
昼休憩を挟んでアジのスカリをのぞくと、残りのアジは3匹。これは最後まで持たないかもしれないと、戸松さんはヤエンとウキ釣りのサオを見ながら、サビキ釣りを始めた。
使用するエサはマルキユーのアミ姫とアミ姫キララ。最初はアタリが遠かったが、すぐにアミ姫にアジが集まってきたようで、勢いよくサオ先が揺すられる。上がってきたのは20cmないぐらいのアジ。ヤエンに使うにはちょうどいいサイズだ。
アジだけではなく、カタボシイワシや小サバ、カタクチイワシなんかも交じり、しばし癒やしの釣りを楽しむ戸松さん。ここで再びリールのドラグが鳴り響く。
待望のキロアップが浮上
今度こそ……とじっくりイカの動きを見極める戸松さん。イカの走りが止まったところで、ゆっくりロープとは逆の方向に誘導する。
完全にロープから離れたところで、いよいよヤエン投入。サオの上下でヤエンを滑らせ、ここぞというところでアワセ一閃。2号の磯ザオが大きく曲がった。
グーングーンというジェット噴射をサオさばきでかわし、浮いたところで山根さんがネットですくい込む。待ちに待った1匹は、ギリで1kgありそうなオスのアオリイカだった。