保存食の種類
では、保存食と聞いて何が思い浮かびますか?
ピクルスやジャム、瓶詰めなどでしょうか...?
ほかにもまだまだありますが、主に保存食といえばコレ!というものをご紹介します。
- ジャム(Mermelada):長期保存できるよう果物や野菜、それらの40%以上の重さの砂糖を加えて煮詰めたもの
- コンポート(Compata):果実に、その14%以下の砂糖と水、もしくは水だけを加えて煮たもの
- シロップ漬け(Almíbar):果物を大きめに切るか、もしくは丸ごと使用して、水と砂糖で漬け込む
- ジュレジャム(Jalea):果実の果汁や浸出液を使用して作るゼリー状の食べ物
- 固形ジャム(Dulce):ナイフで切ることができるくらいうにかたく煮詰めたジャム
- 瓶詰め(Conserva):野菜を水、もしくは煮汁と塩で漬け込んだもの(塩漬けともいう)
- 酢漬け(Encurtidos):野菜や魚介をお酢と塩で酸性環境(※1)で作る保存方法
- オイル漬け(Aceite):野菜や魚介などをオリーブオイルに漬けて保存する方法
※1:菌が繁殖しにくい環境
長期保存をするために
長期保存をするためには脱気をすることが大切です。
- 保存食には凸凹やひび割れのないガラス瓶を使います
- ガラス瓶は鍋に入れてたっぷりの水を注ぎ、沸騰したら15分、蓋は3分煮佛して消毒します。取り出したら乾いた清潔なフキンのうえに逆さまに置きます
- 瓶にでき上がりの温かい保存食を詰めます。瓶と保存食の温度に大きく差があると瓶にひびが入ったり、割れる恐れがあるので、瓶が温かいうちに詰めるのがベストです
- 清潔なフキン(またはアルコールを含ませたペーパータオル)で瓶の縁を消毒してから蓋を閉めます
- 大きめの鍋に瓶の衝撃軽減と破損防止のためにフキンを鍋底に敷き、保存食を入れた瓶を置きます。蓋から2~3cm下まで水を注ぎ、火にかけて沸騰したら10~15分、ぐつぐつとする温度を保ちながら弱火で煮佛します
- くれぐれも火傷しないように注意して瓶を取り出し、蓋をしっかり閉め直します
- フキンのうえに逆さまにして置けば、さらに安心です
- 冷めたら蓋の中央が凹んでいるかを確認します。凹んでいたら脱気成功です
(『バスクの修道女 畑と庭の保存食』から引用)
四季の保存食
では、季節ごとにどんな保存食があるのかをご紹介します。
たくさんの保存食がありますが、この記事では季節のうち春と夏のレシピを1つずつ抜粋してお伝えします。
(以下、いずれも『バスクの修道女 畑と庭の保存食』から引用)
春〈春の訪れをいちばんに知らせてくれるいちご〉
【いちごとラズベリーのジャム】
○材料(400ml分)
- いちご・・・300g
- ラズベリー・・・200g
- グラニュー糖・・・240g
- レモン果汁・・・1/4個
○作り方
- いちごとラズベリーは洗い、水気をふく。いちごは下手を取り、4等分に切る。果肉の重さを量り、その半量のおもさのグラニュー糖を用意する
- ボウルに1.とレモン果汁を混ぜ、6時間置く
- 果物から出た水分ごと鍋に入れ、中火にかけて沸騰したらアクを丁寧に取る。とろりとするまで15~20分煮る
- 熱いうちに煮佛消毒した清潔な瓶に詰める
夏〈スペインの台所に不可欠なトマト〉
【トマトの瓶詰め】
○材料
- トマト(完熟)・・・1kg
○作り方
- 鍋にトマトがひたひたに被る程度の水を沸かす。沸騰したらトマトを15秒茹でて取り出し、冷水に取る。ヘタを取り、皮をむく
- 煮佛消毒した清潔な瓶にトマトを空気が入らないように綿棒やすりこぎで瓶の上部の1cmをあけるように押しこみながら詰めて蓋を閉める
- 深鍋にフキンを敷き、2.の瓶を置く。トマトが見えるところまで水を注ぎ、中火にかける。沸騰したら20分間煮佛して取り出し、蓋をしっかり閉める