学習者はモチベーションの保ち方に悩む?
ーーカフェイベントで室井さんに学習の悩みを相談できますか?
室井:参加者の方から「どうやって勉強していいかわからない」と質問されて「私はこうしてますよ」とアドバイスするようなことはあります。
英語の学習法を知りたいという声をいただくことが多いので、スペシャル版として英語の学習法にフォーカスしたトークショーイベント「英語学習経験者に聞いてみよう!どうやって英語を話せるようになったの?」を実施したことがあります。
Circular Yokohama|めぐる星天 英会話カフェ 特別編「トークショー 英語学習経験者に聞いてみよう!どうやって英語を話せるようになったの?」【イベントレポート】
ーー具体的にどんな悩みが寄せられたんでしょうか?
室井:「モチベーションの保ち方」が多かったかな。「練習相手がいないからモチベーションが下がってしまう」「学習時間がない」「三日坊主になってしまう」……学習を継続することに難しさを感じている人が多いようです。
語学は「自分の努力が正しかった」と感じられるまで時間が必要だから、その途中で挫折してしまうこともありますよね。
ーー室井さんも、英語を学ぶ「動機」が明確になったことが重要だったと前編で教えてくださいましたね。
室井:「今日あまり喋れなかった」「どうしたら積極的に喋れるようになりますか」という相談もあります。そんなとき「日本語だったら喋れたと思いますか」と、逆に質問しています。
実際に、私も経験があるんですが、スピード感のある会話をする参加者が多ければ、ゆっくりしたトーンで会話する人にとって、日本語でも参加しづらいかもしれません。
クルマの話題で盛り上がっていた日なら「クルマに興味も関心もあまりないから日本語でも喋らなかったかも」という人もいます。
日本語だったら出来てたのか、伝えられたのかと考えてみる。日本語でも出来ないことは、英語の不得意ではありません。単純にその話題や雰囲気などが合わなかっただけです。
喋れないワケが実力不足とは限らない
ーー日本語でもどんな会話にも参加できるとは限らないですね。
室井:思うように喋れなかったことだけで、英語力がないと考えてしまいがちですが、それは客観的な立場からのフィードバックではなく自己評価です。
クルマの話題だったから参加できなかったのであれば、関心を少し広げて英単語を調べておく。もし次にクルマの話題になったときにその単語を使ってなにかを話せたら、成長ですし、英語力が伸びていると考えていいんです。
「できないこと」ばかりを気にして、英語がわからない、しゃべれないと決めつけるとモチベーションは維持できません。具体的に「できなかった原因」を見つけてしっかりと弱点を補えば、少しずつでも前進できます。
ーーみんなで会話しようと集まっているのだから「ゆっくり話してほしい」「ほかの話をしませんか」と提案してもいいですよね。
室井:そうなんです。「ほかの話をしましょう」と言えるタイプは日本人だと少ないですが、英語なら「言えちゃう」という人もいますね。
性格が内向的だったり消極的だったりして「会話に参加出来ない」のであれば、語学力ではなくコミュニケーションの問題かもしれません。日本語で話すときにも意識すると変化がありそうです。
ーーこれから、どんなことにチャレンジしますか?
室井:自分の性格や価値観を表現する手段として、英語という言語がとてもしっくりくるんです。生きていくうえで「生きやすい」と感じます。
私は、誰かと比べたら、多少は英語を話せるかもしれません。でも、うまく伝えられないことや、「もっと勉強すればよかった」とジレンマを感じることや、挫折してしまいそうなときはあります。
より自分自身を豊かにしていくためにも、英語を話せることはとても大切なツールだと、あらためてきちんと意識したいですね。
だからこそ、これからも引き続き英語を学習していきます。そして、自分の経験を共有して、誰かに活かしてもらいたいです。一緒に英語力を伸ばしてそれぞれの「その次」へ行きやすくなっていったらいいなと考えています。
(後編・了)
かつて、英語は不得意科目だったという室井さん。5月5日(日)に公開したインタビュー前編では、TOEIC Tests受験対策として効果があったという学習法についても教えてくださっています。