タナが決め手
大山沖のイサキのポイントの水深は約45m。海底の人工漁礁周りが主なポイントとなる。
到着すると船長からイサキが群れている深さ、つまりタナの深さが指示される。アングラーはまきエサと期待をカゴに詰め込み、仕掛けを投入する。イサキの活性が高いようであれば、エサの代わりにサビキバリのものにすると手返しが良くなる。
今回の指示ダナは36~40m。ハリスが指示ダナにくるように調整するのがセオリーとなる。電動リールやカウンター付きリールは、デジタルで水深を表示してくれる優れものだが、微妙にズレが生じるため、PEラインのラインマーカーで正確に水深を計測するのが釣果を伸ばす秘訣だ。
ポイントが変わるたびに船長から指示ダナのアナウンスがあるので、聞き逃さないようにしよう。また、ヒットした水深を覚えておくのを忘れないように。そしてヒットしたタナを、同船者と共有することをオススメする。
ヒットしたタナを同船者と合わせることで、まきエサが漂う層を均一化して、より多くのイサキをタナに呼び寄せ、爆釣連鎖につながる可能性も大いに期待できるのだ。
食いが悪ければ細ハリスも有効
仕掛けについてだが、ハリスは2号が一般的だが、天気やその日のイサキの警戒心により、1.2~1.75号の仕掛けが好適となるため、あらかじめ準備しておくと安心だ。
コマセカゴは、シャクリ2回でまきエサが全て放出するくらいの設定がオススメだ。また、3本バリ仕掛けのどの位置のハリにイサキが掛かったか、もしくはどのハリのエサが取られたかを把握することで、タナを探る調整範囲が狭まってくる。その日のドンピシャのタナを集中攻撃できれば、サオ頭も夢じゃないだろう。
連掛けも狙ってみよう
アタリは明確に出る。サオの穂先が震えたかと思ったら、一気に絞り込んでくれる。派手なアワセは必要ない。ゆっくりサオを立てて、電動リールのスイッチをオン。最初は欲張らず1匹ずつ確実に取り込んでいくのがオススメだが、慣れてくると連掛けを狙ってみたい。
アタリがあってサオを立ててハリ掛かりを確認したら、そのまま1~2mほど巻いて手持ちのまま待つ。先に掛かったイサキが暴れることで、他のハリに絶妙な誘いがかかり次々に食ってくる。手持ちにしていると、本タリが次々出て、手元に伝わる重量感がどんどん増してくる。アタリの数を数えて、「お、2匹目食ったな」と想像するのがとても楽しい。食いが立っているときは、3本バリにパーフェクトなんてこともよくある。
取り込みについてだがここが一番トラブルが起きやすいところでもある。まずテンビンが見えてきたら、リールの巻き上げをストップ。ロッドキーパーにサオを掛け、サオを起こしてテンビンを手に取る。テンビンはまきエサのバケツに入れておき、続けて仕掛けを手に取って手繰っていく。そして少し身を乗り出してより魚に近いハリスを持ち、一気に抜き上げる。
慣れていないと巻きすぎてテンビンを手に取れなかったり、サオで魚を抜き上げたくなるが、トラブルの原因にしかならない。せっかく掛かった貴重な1匹、確実に取り込むようにしたい。
ただし、イサキはアジほどではないが、決して口周りが強いわけではない。40cmに迫るようなサイズになれば、タモ取りが無難だ。船に用意してあるタモは片手では使いにくいため、自前の少し小さめの手網などを持参するといいだろう。