ホンダが新規投入してきたSUV「ZR-V」に試乗してみた。詳細情報は既報だが実際の試乗と搭載した技術、コンセプトをどのように体感したのかお伝えしよう。

グランドコンセプトは「異彩解放」。異彩を放つという言葉があるように主にデザインで強調。群雄割拠のコンパクトSUV市場で存在感をいかに出すかがポイントになるが、見た目ですぐにわかる特徴があり、街中で見れば視線を集め、二度見したくなる。そうした点では成功していると言える。裏コンセプトには「二度見させたい」があるというが、これは成功だ。

異彩解放の「解放」は、仕事が多忙な現代、やりたいことができないなどストレスが溜まるが、遊び道具などを車載したまま、サッと出かけてストレスを解放するためのツールとしても役立つ、という意味を含んでいる。つまり高い実用性も主張しているというわけだ。
車体の大きさは全長4570mm、全幅1840mm、全高1590mm(1605mm4WD)で、ホイールベースは2655mmでCセグメント+のサイズ。ヴェゼルとCR-Vの中間サイズで、北米では2022年4月HR-Vの名称で先行デビューしている。その後グローバルモデルとしてZR-Vの名称で発売となった。



新型ZR-Vの特徴はコンセプトにある高い実用性があるが、もうひとつスポーティなモデルであることもUSPとして挙げることができよう。つまり、ドライバビリティとユーティリティが強化されたモデルとして激戦区に投入されたわけだ。開発責任者は「神経直結」という言葉を使って、意のままに操れる走行性能を持たせていることを強調する。
プラットフォームはシビック+CR-V
そうしたドライバビリティを実現するために投入したハード構成は、シビック+CR-VのプラットフォームでCR-Vのリヤセクションを採用する。ZR-Vは4WDとFFが全グレードにあり、4WDは機械式でプロペラシャフトを使って多板クラッチのフルタイム4WDになっている。シビックはFFであるためリヤ周りはCR-Vのリヤセクションを共有しているわけだ。
エンジンはシビックと同じ1.5LのL15C型VTECターボエンジンで178ps/240NmにCVTを組み合わせている。ハイブリッドのe:HEVは2.0LガソリンのLFC-H14型で141ps/182Nm、駆動モーターは135kW/315Nmを搭載している。

サスペンションはフロントがマクファーソン・ストラットで、リヤがE型マルチリンク式でフローティング・サブフレームを採用。さらにコンプライアンスブッシュに液封タイプではなくコンベンショナルなゴムブッシュを採用している。このあたりにリヤの接地感を作る工夫が投入されているのだ。