■ 詰んだかと思いきや……「管理人」を名のる人物と接触

これ以上調査しようもないし、もふもふ動画とも接触できそうもない……と諦め、中途半端でも……と、記事公開作業をすすめていたときのことでした。M科技に繋がりそうなLINEアカウントをたまたま2つ入手。

ただし出てきた場所は、かなり古い情報から。半ば諦めの気持ちで接触をはかってみると、なんと返事が返ってきたのです。しかも自らを「管理人」だと名のりました。

1つめのアカウント名は「星野」。やりとりは、当たり障りのない挨拶からはじめ、このLINEはM科技の問い合わせ窓口か聞いてみたところ、「はい、○○(以降、サービスA)の管理人です、どの方でしょうか」と返事をしてきました。

「もふもふ動画」はただの無断転載アカウントではない?その正体に迫る<前編>
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

返信に貼られていた、「サービスA」のページを確認すると、何かのログイン画面が出てきました。M科技ではこのサービスAのサポートを、LINEを通じて行っているようです。

そこで会員ではない旨つたえて、何の仕事なのか聞いてみると、既読はついたもののスルー。返信が途絶えてしまいました。

「もふもふ動画」はただの無断転載アカウントではない?その正体に迫る<前編>
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

なお、もう1つのM科技に繋がりそうなアカウントも名前は「星野」でしたが、こちらは最初から一切無反応でした。

「もふもふ動画」はただの無断転載アカウントではない?その正体に迫る<前編>
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

■ サービスAに登録してみた

ここでまた繋がりが途絶えたわけですが、折角なので星野が教えてくれた「サービスA」に登録してみることに。

登録完了して出てきたのは……「もふもふ動画」と「最多情報局」のリプ欄に貼られていた記事へのリンクがズラリ。

「もふもふ動画」はただの無断転載アカウントではない?その正体に迫る<前編>
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

どうやらこのサービスAはアフィリエイトの提供サービスとして運営されているようです。いわゆるASPというポジション。

書かれているリンクをコピーし、SNSに貼り付け、そのクリック数に応じて報酬がもらえる、という仕組みになっていました。それにしてもここまでしっかりと、管理しクリック数をカウントしているとは……。

また、このサイトから直接記事も投稿できるらしく、投稿機能が用意されていました。つまり「まとめサイト」の運営管理を行っているのも、サービスA(M科技)とみて間違いなさそうです。

「もふもふ動画」はただの無断転載アカウントではない?その正体に迫る<前編>
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

そしてページの下の方をみていくと……サービスAの管理画面にはサイト運営者も書かれていました。

「私たちに関しては」と書かれた運営者情報の欄を押すと出てきたのは、M科技のホームページ。「M科技」と「サービスA」、そして「もふもふ動画」が誘導している「まとめサイト」がハッキリと繋がりました。

「もふもふ動画」はただの無断転載アカウントではない?その正体に迫る<前編>
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

それにしてもこのサービスの恐ろしいところが、サービスA自体の「利用規約」も「プライバシーポリシー」もないこと。

運営者としてM科技のホームページが出てくるものの、それはログインしてからのみ分かる情報。まるでこそこそ運営しているような印象をうけます。「闇バイト」ならぬ「闇ASP」なのかもしれません。

一通りここまで調べることはできましたが、結局のところ「サービスA(M科技)」と、「もふもふ動画」や「最多情報局」といったアカウントの運営が同一であるか、という確証までは得られず。直営なのか、それとも委託なのか。

ここからは私見ですが、筆者は「もふもふ動画」と「最多情報局」※はサービスA(M科技)の直営だとにらんでいます。(※もふもふ動画はプロフィール欄で「最多情報局」も管理していることを明言している)

もふもふ動画の場合だとフォロワー数は130万超。普通そこまでのフォロワー数ならば、もっとメジャーなASPを使用するほうが広告も豊富で、より利益が得やすいはずです。

サービスAの報酬は、基本1クリック1円。ただし管理画面ではドル(0.1ドル)で表示されていたので、現在は1.5円くらいですが、それでもサービスAにこだわるより他を使ったほうが稼げるはず。

にもかかわらず、マイナーな「サービスA」を介したまとめサイトへのみ誘導しているのは、仲間だからとしか考えられません。

実は編集部があちこちつつきはじめて以降、もふもふ動画の運用方法にちょっとした変化がありました。単に偶然かもしれませんが、M科技に接触したり、もふもふ動画のDMに問い合わせを送って以降、自分のポストにまとめサイトのリンクを直接張らなくなったのです。

かわりに他の怪しいアカウントがポストした「該当まとめサイトの記事」をせっせとリポストして紹介。しつこくこの「サービスA」に関わる「まとめサイト」だけを紹介しつづけています。やはりアヤシイ。

「もふもふ動画」はただの無断転載アカウントではない?その正体に迫る<前編>
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)