■ もふもふ動画などを独自で調査したことがあるBさんに接触
そこで次に頼ったのが、インターネット事情に詳しいBさん。「もふもふ動画」と、これら「まとめサイト」についても、かつて独自調査したことがある人物です。
Bさんによると、リンク先のサイトは「説明ページがテンプレート化しており、写真から誤字に至るまで全く同じ」「URL表記パターンに共通性がある」「連絡先のメールアドレスが同じ」といったいくつかの共通点があるとのこと。メールアドレスとは先にふれた「zhangmin」からはじまるGmailアドレスです。
つまり、パッと見は違うサイトにみえても、運営を行っている会社は同じであり、そこから浮かび上がったのは「中国IT企業のM科技(以下、M科技)」とのこと。「1000以上のドメインを持ち、日本・中国・英語圏に中南米など多言語向けにサイトを運営しています」という情報も得られました。
Bさんに教えてもらった「M科技」の公式サイトを早速チェックしてみると……。問い合わせ先として、「zhangmin」と似た文字列のこれまたGmailアドレスが記されていました。
――――――――
・zhangmin×××@gmail.com(まとめサイトに記されていたアドレス)
・zhangyue×××@gmail.com(M科技のホームページに記されていたアドレス)
――――――――
一部文字列が異なるものの、もふもふ動画が誘導しているまとめサイトとM科技には、何らかの関係があることは間違いなさそうです。
■ 中国の登記情報を調べてみた
とりあえずM科技に関する情報が得られたので、まずはホームページに記されていた2つのアドレスに問い合わせを送ってみました。
1つは「zhangyue×××@gmail.com」、そしてもう1つは会社自体の問い合わせアドレスです。
「zhangyue×××@gmail.com」からは3週間たっても返信なし。もう1つの会社の問い合わせアドレスからは、即エラーがもどってきました。どうやらメールからの問い合わせには反応しないようです。
また、問い合わせフォームも用意されていたので、フォームからも連絡してみましたが同じく返信なし。
書かれていた電話番号にもかけてみましたが、聞こえてきたのは「通話できませんでした」。その後自動的に切れてしまい、電話からも繋がることができません。
こうなってくると、できることは限られてきます。M科技の中国での登記状況を調べてみました。中国では国が率先して、企業情報を公開するようにしており、ある程度の登記情報はネットから調べられるようになっています。
そこで「国家企業信用信息公示」(運営:中国国家市場監督管理総局)に「社名」を入力して調べたところ……なんと該当する企業が出てこず。
WEB上での企業データ公開はまだ完璧とはいえない部分があると聞きます。このため、まだデータ登録がない可能性も考えられますし、調べ方が悪かった可能性もありますが、今回調べたなかでは出てきませんでした。
仕方ないので、次に見たのが古典的にGoogleマップ。M科技のホームページに記されていた住所を入力して出てきたのは、住宅街とリゾート施設が一体となった複合エリア。住所には建物名らしきものも含まれていましたが、検索結果からはどの建物かまで特定できませんでした。
中国の検索サイト「百度」でも調べてみましたが、大まかなエリアは出てくるものの、同じく該当建物の情報までは出てこず。詰んだ……。