ITスキルに特化したトレーニングで就職支援
先述のとおりアフリカでは、順調に進学して大学を出たとしても、就職先を見つけるのは難しい。そのため、職を得るべく市場でニーズのあるスキルを身につけたいと考える若者は多く存在する。こうした需要に応えているのが、ITスキルに特化したトレーニングを提供するチュニジアのGOMYCODEだ。

Image Credit:GOMYCODE
GOMYCODEは、ソフトウェア開発やデジタルマーケティング、データサイエンス、人工知能(AI)といった、仕事に直結するITスキルのトレーニングコースをオンラインで提供。創業の地チュニジアを始めとする北アフリカ、西アフリカ、東アフリカの計8か国と中東2か国で事業を展開しており、およそ1,500人の現地講師を用意してオフラインでも授業を行っている。
創業した2017年以来の受講生は累計3万人に達している。またGOMYCODEが企業と提携することで就職先を斡旋しており、受講生の就職率は80%にものぼるという。提携先企業には、チュニジアおよび欧米のソフトウェア開発会社やフィンテック、マーケティング会社に加え、マイクロソフトなど著名企業も含まれる。
さらに就職先を探している学生だけでなく、企業の従業員向けにもコースを提供することで顧客を拡大している。同社は2020年にプレシリーズAラウンドで85万ドルを調達した後、2022年にシリーズAラウンドで800万ドルを調達している。
学校向けの業務支援や融資サービスも誕生

Image Credit:Koolskools
生徒ではなく、学校の課題解決にアプローチするスタートアップもある。そのひとつであるモロッコのKoolskoolsは、学校業務を効率化するためのDX支援を提供。教師は、Koolskoolsが配信する教材を使うことで授業の準備時間を短縮したり、タブレットで配信できるデジタル教材を授業に取り入れたりすることができる。生徒の成績をオンライン上で管理することで、教師の業務効率化にもつながる。創業した2020年に約41万7,000ドルを調達した後、2023年に約96万ドルを調達している。

Image Credit:Ed Partners
ケニアのEd Partnersは、教育機関を資金面で支援している。低所得者向けに有志が設立した学校に対して、教室やトイレ、実験室、寮といったハードの建設資金や、授業で使うパソコンやインターネット回線の費用、通学バスの購入費用などに対して融資を実施。これまでに350校に融資し、10万人以上の生徒に影響を与えてきた。同社は2018年に設立したのち、2021年に190万ドルを調達。2023年にはオランダのインパクト投資 Oiko Creditからデットで150万ドルを調達したほか、米国国際開発金融公社(DFC)から1,000万ドルの融資保証枠を確保している。