本稿は、アフリカビジネスパートナーズによる寄稿記事である。同社は、ケニアや南アフリカに現地法人を持ち、アフリカ40か国で新規事業立ち上げやスタートアップ投資に関する支援を提供している。現地のビジネス最前線を知る同社独自の視点から、投資家が注目するべきアフリカのスタートアップトレンドを毎月ピックアップして紹介していく。
前号では、アフリカの人口増加にともない都市部の交通量が増加し渋滞が課題となっていることをうけ、大量輸送向けに電気バスが導入されつつある社会背景に触れ、現地で電気バスの組み立て生産に取り組むスタートアップを取り上げた。
第4回となる本号では、同じくアフリカの人口増加に関連して、教育(Education)とテクノロジー(Technology)を組み合わせたサービスを提供する、いわゆるエドテック(EdTech)スタートアップを取り上げる。
アフリカの人口は2023年時点で12億人に達している。2050年には25億人まで増え、世界人口の4分の1をアフリカが占める計算だ。さらに2050年以降は若者の比率が高い「人口ボーナス期」に突入する見込みで、若い世代がアフリカ経済を牽引することが期待される。
若者人口の増加を経済成長へとつなげるために重要なのが、学校教育や職業訓練だ。一方アフリカの教育産業は、所得や地域による教育格差、財政難によるカリキュラムや教師の質の不足、通学にかかる費用の親の負担といった課題を抱えている。教育を受けることができ、たとえ大学まで出たとしても、就職することは困難だ。このような課題をテクノロジーの力を借りて解決するのが、アフリカのエドテックスタートアップである。
オンライン学習プラットフォームが次々誕生
生徒向けのオンライン学習プラットフォームを提供するスタートアップは数多く存在する。学校だけでは足りない学習内容を補ったり、学校教育が行き届いていない地域へ質の高い教育を提供したりといった事業を展開している。

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学習時間や正答率などを把握するためのダッシュボード機能も備わっており、利用料金はサブスクリプションで請求する。アプリの累計ダウンロード数は500万回に達しており、これまでに1,400万回のビデオ授業が視聴されている。同社は、創業した2019年にシードラウンドで310万ドルを調達した後、2021年にシリーズAラウンドで750万ドル、同年のシリーズBラウンドで1,500万ドルを調達している。

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