前半30分までに3得点
第1戦を1-0で物にした蔚山が[4-4-2]の布陣での撤退守備を選んだため、横浜FMの2センターバック(畠中槙之輔と上島拓巳の両DF)にプレスはかからず。ゆえにホームチームは2センターバックを起点に悠々と攻撃を組み立てた。
迎えた前半13分、横浜FMの右ウイングFWヤン・マテウスから小気味良いパスワークが始まり、ボールが蔚山の最終ライン背後にこぼれる。蔚山陣営がこのボールの処理にもたついている隙をホームチームFW植中朝日が突き、先制ゴールを挙げた。
遅攻のみならず、快足の左ウイングFWエウベルへシンプルにロングパスを送るなど、横浜FMは多彩な攻めを披露。前半21分にはエウベルにボールを預ける速攻が一度不発に終わるも、すかさず2次攻撃へ移る。エウベルやマテウスがパスワークに絡み、ロペスがペナルティアーク付近から左足でシュートを放つと、これがゴール右隅に突き刺さった。
2戦合計スコア2-1で形勢逆転のこのゴール直後、横浜市歌をモチーフとしたホームチームのチャント『この横浜に優るあらめや』(※)がスタジアムに響き渡り、横浜FMがさらに勢いづく。迎えた前半29分、ロペスが相手DFファン・ソッコ(センターバック)に寄せて苦し紛れの縦パスを蹴らせ、これをDF畠中がカット。ここから横浜FMの速攻が始まると、植中がペナルティアーク後方からミドルシュートを放ち、リードを広げるゴールを挙げた(得点は前半30分)。
(※)この横浜より優れた港があるだろうか、いや無いだろうの意。
「良いプレスが大事」
キューウェル監督は試合後の会見で、筆者の質問に回答。チーム全体としての連動した守備が、前半の3ゴールに繋がったことを強調している。
ー前半、アンデルソン・ロペス選手を起点に相手のパスワークを片方のサイドへ追いやることができていたと思います。この点について監督の評価をお伺いしたいです。また、第1戦と比べてチーム全体のハイプレスの強度や連動性が高かったからこそ、今回の3ゴールに繋がったと私は感じています。いかがでしょうか。
「アウェイでの第1戦でもプレスは良かったと思っています。やはり良いプレスを続けることが大事ですし、プレスはロペス個人でできるものではなく、一人ひとりに役割があるなかで、チーム一丸となってやっていくものです。今日の試合のなかでも、そうした部分(チーム全体としての連動した守備)をしっかり出せていたと思います」