目次
■【PART 3】大都会にはない個性と親しみやすさ
LOCAL BAR[日本各地のバー]
■【PART 4】一歩進んだ楽しみ方
Starting with a SIDECAR[まずは、サイドカー]
■【PART 3】大都会にはない個性と親しみやすさ
LOCAL BAR[日本各地のバー]
BAR やまざき(北海道)
真空管アンプが奏でるジャズが静かに流れるオーセンティックバー。全国的にも知られた老舗で定番カクテルはもちろん個性的なオリジナルカクテルも楽しみたい。
Q.1 名バーテンダーは地方にも意外と多い?
日本のバー文化の中心であった東京で修業を積んだ後、里帰りして自らの店を開業したバーテンダーは少なくない。札幌すすきのにあるオーセンティックバー「BAR やまざき」の山崎達郎氏は、東京會舘で技術を磨いたバーテンダーであり、伝統的な洋酒文化に通じているだけでなく、数々の創作カクテルを生み出して人気を博した。地方バーの先駆け的存在だ。
Q.2 B級グルメだけじゃない、カクテルで街おこし?
バー文化はもはや東京だけの時代ではない。近年のカクテルコンペの参加者には各地で活躍するバーテンダーが名を連ねている。カクテルコンペの優勝者が地元などでバーを開業するケースも多い。とくに宇都宮は日本バーテンダー協会の「カクテルコンペティション」で優勝したバーテンダーが数多く活躍しており、「餃子とカクテルの町」として売り出し中だったりする。
Q.3 各地のバーの魅力とは?
土地代や家賃が東京と比べて安いこともあり、客席スペースが広く取られていることが多く、旅の開放感とも相まってくつろげる。地方バーは都会の流行が2〜5年遅れてやってくるなどといわれていたが、SNSの普及などにより今やその差はほとんどないだろう。郊外のベッドタウンで気軽に立ち寄れる、いわゆる住宅地バーも増えてきた。
■【PART 4】一歩進んだ楽しみ方
Starting with a SIDECAR[まずは、サイドカー]
Q.1 サイドカーとはどんなカクテル?
その歴史は古く1910年代のロンドンで考案されたという説が有力だ。ブランデーベースのカクテルの代表格。ブランデー2、ホワイトキュラソー1、レモンジュース1の割合でシェイクしてカクテルグラスへ。
Q.2 なぜ最初の一杯は「ジントニック」が多い?
ジンとトニックウォーター、ライムの割合によって酸味と甘みのバランスを取るジントニックは、シンプルなだけに奥が深い。バーテンダーの技量を試すため、最初の一杯として注目する人も多い。
Q.3 上級者にお勧めの“最初の一杯”は?
派生するカクテルも多く、シェイクカクテルの基本を要するサイドカーはバーテンダーの技量を見極めるのに最適。また味や香りのバランスによって、カクテルに対する考え方も知ることもでき、まさに上級者向け。
□三大カクテルコンペ
Competition 1
「ワールドクラス コンペティション」
“Raising the Bar”すなわち、世界中のバー文化と価値を高め、酒の素晴らしさを伝えていくことを趣旨とする世界最大級のコンペティション。2022年大会は50の国と地域からエントリーがあった。日本大会を勝ち抜いたバーテンダー1名のみが代表として世界大会へ駒を進める。
Competition 2
「サントリー ザ・カクテルアワード」
貴重な洋酒文化であるカクテルの発展を支えてきたサントリーが年1回開催するプロバーテンダー競演の舞台。細部に神を宿すような思想や技術を追求することにより日本独自に進化した「型」を発展させるべく、選ばれしバーテンダーがサントリーホール・ブルーローズに集う。
Competition 3
「N.B.A全国バーテンダー技能競技大会」
日本バーテンダー協会(N.B.A)が主催する、最も権威あるバーテンダーの技能競技大会の一つ。優勝者には厚生労働大臣賞、世界大会出場権の獲得など、最高の栄誉が与えられる。大会種目は、学科部門など4部門。全国の地区大会の上位者が競い合う。2024年に競技内容変更予定。
●サントリー ザ・カクテルアワード2023の様子
【WINNER】
2023年の受賞バーテンダー
中野賢二さん
The Okura Tokyo(東京)のバーテンダー、中野さんは受賞カクテルの「梅雅」について「サントリー梅酒をベースに、長い梅酒の歴史と伝統、その素晴らしさを伝えようという思いで創作しました」と語る。
【WINNER】
2023年の受賞カクテル
梅雅 UMEMIYABI
「サントリー梅酒〈山崎蒸溜所貯蔵梅酒ブレンド〉」、「ルジェ クレーム ド カシス」、フレッシュオレンジジュースなどをシェイクしてグラスに注ぎ、梅花飾りを添えた。
【コラム】コンペの歴史
多彩な洋酒の愉しみ方を広めたいとの思いから、スピリッツやリキュールづくりに挑戦したのがサントリー創業者、鳥井信治郎氏(写真)。日本独自の洋酒文化の発展を期して国内初のカクテルコンクールが始まったのは、昭和6年(1931)のことだという。現在のサントリー ザ・カクテルアワードは平成6年(1994)に開始。
・コンペの選考内容(※サントリー ザ・カクテルアワードの例)
参加者には所定のカクテル材料とテーマが与えられ(2023年は「次世代の飲み人に届けたいカクテル」)、書類による一次審査で60名を選出、競技審査によるセミファイナル、ファイナルを経て優秀賞1名が選出される。作品(カクテル)は、ネーミング、味、見栄え、独創性、再現性、技術、ホスピタリティの7項目で審査される。