■懐かしいけれど、売れ行きが低迷なら終売は仕方ない

還暦を過ぎた経済評論家にとっては小学校の頃によく食べていたお菓子です。懐かしいといえば懐かしい。遠足のときにわざとチェルシーを持っていって、「あなたにもチェルシー、あげたい」と友達に言うのが流行しました。みんなノリノリでチェルシーを口にいれます。そのうち箱が空になるので、「あなたにもチェルシー、あげたいけどもうない」とか言ってふざけ合うのです。

まあそんな話を家族でして、「最後に食べてみたかったね」と話し合ったのです。

チェルシーが終売になったのは販売低迷が理由ということです。「硬い食べ物が若者に好まれなくなってきた」というのはトレンドで、時代はグミのような柔らかいお菓子に移りつつあります。

ノスタルジーの面からは残念ですが、企業は利益を追求するのが使命ですから、売れなくなった商品が終わるのは経済の側面から見れば当然です。

「終売だと聞いてあわてて買いに走るぐらいなら、もっと前から買えばいいのに」という正論もありますが、皆、一口、思い出として食べたいだけで、売上が低迷する商品を買い支えるだけの需要はありません。終売は仕方ない経済現象です。