子どもの「名義預金」で貯蓄した通帳をプレゼントする

孫や子どもの名義で銀行口座を開設し、祖父母や両親が貯蓄するケースがある。孫や子どもが大人になった時、サプライズとして貯蓄した通帳をプレゼントするなど目的は色々あろう。

しかしこの場合、孫や子どもの名義を借りた「名義預金」に該当する可能性がある。名義預金に該当すると、贈与税や相続税の対象になり、申告を忘れると無申告加算税などのペナルティを課されることもある

預金が名義預金と判断されないためには、預金している口座の印鑑や通帳の管理を贈与された人が行うことが不可欠である。

孫や子どもが大人になった時にサプライズでプレゼントしたい気持ちはわかるが、名義預金とされないためにも、孫や子どもに通帳の存在を明かし自由に使えるようにしておく必要があるのだ。

預金より投資でお金を育てる

今、手元のお金は銀行貯金に預けておくより投資で育てる、という時代になった。

おすすめなのがNISAとiDeCo。運用益が非課税になるという大きなメリットがある。通常、運用益には20.315%の税金がかかるため、例えば10,000円の運用益が出たとしても、2,031円は税金として支払わなくてはならない。

運用益が大きければ大きいほど税金も増えるため、運用益が非課税というのは大きなメリットだ。

NISA 

2024年1月から新制度が始まったNISA制度。今までの制度では、つみたてNISAか一般NISAのどちらかを選ぶ必要があったが、新NISAはつみたて投資枠で年間120万円、成長投資枠で240万円を併用して合計最大年間360万円(月に30万円)まで投資できるようになった。

たとえば月5万円を20年間積み立てれば運用益は633万円・資産額は1,833万円まで膨れ上がる(利回り4%)。

また、非課税保有限度額は合計1,800万円(成長投資枠は1,200万円)だが、保有期間が無期限になった。つまり、運用金額が1,800万円を超えない限り、一生非課税で保有が可能だ。

売却して枠が空けば、年間投資可能額の範囲で再投資もできる。投資初心者の場合、まずはつみたて投資枠でインデックスの投資信託に投資し、投資に慣れたら成長投資株で個別株も購入してみるのがおすすめだ。

iDeCo 

iDeCoは自分自身で年金を作るために積み立て・運用をするための制度だ。NISAと同じく運用益が非課税になるのに加えて、掛金が全額所得控除、給付金が公的年金等控除・退職所得控除を受けられるといったメリットもある。

お金に対する正しい知識を

昔と異なり、預金だけでは財産を増やせない。そのことを念頭に置き、預金と投資をバランスよく組み合わせて財産を増やしていくのがベストだ。

お金に対する正しい知識を持って運用すれば、老後のための資産形成もできるだろう。NG行為に気をつけ、ぜひ戦略的に貯蓄に取り組んでいただきたい。

文・勝目麻希(ファイナンシャル・プランナー) 新卒で総合職としてメガバンクに入行し、法人融資・金融商品販売等を担当。転職・結婚・出産を経て一時は専業主婦になったが、自分の金融知識や実務経験を活かしたいと独学でライターの道へ。現在はファイナンシャルプランナーの知識を活かして金融系メディアを中心に執筆。