こんにちは!たびこふれライターの中尾です。

実は僕、尾瀬に行ったことがありませんでした。会社の大先輩と「有名だけど行ったことがない観光地にどちらが先に完遂するか」を競っています。

その中でお互いに行ったことがない尾瀬が目に入りました。観光業界にいながら、尾瀬に行ったことがないのはどうなの?と思い、2023年に行ってきました。しかも、年内で5回も(行きだすと止まらない性格)。尾瀬のシーズンはゴールデンウィーク(以後GW)手前の4月20日頃から10月中旬までの約半年間。

まずは、GWの尾瀬に行ってみましょう!

目次
ゴールデンウィークの尾瀬
尾瀬1日目(2023年4月30日)

ゴールデンウィークの尾瀬

ゴールデンウィークの尾瀬(群馬)
(画像=『たびこふれ』より引用)

尾瀬の山開きは、GW直前の4月20日頃。この頃からシャトルバスや一部の山小屋の営業が始まります。

GWは、花が咲き誇り、緑がまぶしくなる初夏への序章というイメージです。しかし、尾瀬ではまだまだ雪が積もっていて、アイゼンやチェーンスパイクなど滑り止めを持っていかないと行くことができません。

至仏山や燧ヶ岳の登山は完全冬山登山装備が必要。また、鳩待峠以外のゲートから尾瀬入りする場合もゴールデンウィークは距離が長く、完全冬山登山装備が必要です。初めての方や初級者は鳩待峠から尾瀬へ行くことを強くおすすめします。

尾瀬1日目(2023年4月30日)

  • 行程:尾瀬第1駐車場===鳩待峠・・・山ノ鼻・・・牛首分岐・・・竜宮小屋(折り返し)・・・牛首分岐・・・山ノ鼻<泊>
  • 天候:雨

尾瀬第1駐車場

ゴールデンウィークの尾瀬(群馬)
(画像=『たびこふれ』より引用)

前泊のペンションの駐車場に車を置かせていただき、ペンションの送迎車にて尾瀬第1駐車場へ送ってもらいました。尾瀬第1駐車場の駐車料金は1日乗用車で1,000円かかりますので、ペンションに置かせていただけるのはとても助かります。尾瀬第1駐車場からは乗合バス・乗合タクシーで鳩待峠へ向かいます。

乗合バス・乗合タクシーインフォメーション(2023年)

  • 乗車券:大人(中学生以上)片道1,000円
  • 運行時間:尾瀬第1駐車場の始発は5:00発(2023年は5月20日~10月15日までは6:00始発)、終発は15:40発。逆の鳩待峠の始発は8:40発、終発は16:40発
  • 運行間隔:乗合バスは30分~1時間に1本程度の運行。乗合タクシーは人数が集まればすぐに出発してくれますので便利です
  • 所要時間:35分 ※尾瀬第1駐車場(280台)と尾瀬第2駐車場(250台)があります。始発終着は尾瀬第1駐車場です
    ※尾瀬第1駐車場の乗り場にはトイレがありますので、済ませておきましょう。無料で利用できる最後のトイレです
    ※終発の16:40発に乗る場合、山ノ鼻を遅くても15:30頃に出発する必要があります

鳩待峠(標高1,591m)

ゴールデンウィークの尾瀬(群馬)
(画像=『たびこふれ』より引用)

鳩待峠(はとまちとうげ)の地名の由来は、麓の片品村の人々が農作業ができない冬は尾瀬の山に入って仕事をしていました。冬の山仕事は辛いもの。早く春になって畑に種をまく日を心待ちしながら働いていました。山の中で働く人々は山鳩が鳴き出す声で春がきたことを知ります。早く山鳩が鳴き出さないかという待ち遠しい気持ちから付けられたものだと言われています。


ゴールデンウィークの尾瀬(群馬)
(画像=『たびこふれ』より引用)

鳩待峠の駐車場です。GW期間中は鳩待峠までマイカーで上がって来られますが、駐車料金が1日乗用車2,500円もかかりますので、大人数でないとおすすめできません。

また鳩待峠の駐車場は120台しか駐車できないので日によっては早い時間に満車になります。そうなると尾瀬第1駐車場や第2駐車場まで35分かけて戻らないといけないので、尾瀬第1駐車場でマイカーを駐車して、乗合バス・乗合タクシーに乗り換えるのが無難です。

ゴールデンウィークの尾瀬(群馬)
(画像=『たびこふれ』より引用)

乗合バス・乗合タクシーは鳩待峠駐車場に到着します。尾瀬第1駐車場から35分、くねくねとした山道を走行しますので、車酔いする方は要注意です。鳩待峠駐車場から道路を100mくらい歩くと鳩待峠に到着します。

ゴールデンウィークの尾瀬(群馬)
(画像=『たびこふれ』より引用)

鳩待峠休憩所です。トイレはこの建物の後方です。ここからトイレは有料になります。100円玉をたくさん持っていきましょう。

休憩所には売店と食堂があり、休憩所手前では尾瀬第1駐車場までの乗合バス・乗合タクシーの券売所があります。売店には登山用具も販売していますので、忘れたものがあれば物によってはこちらで購入できるかもしれません。

ゴールデンウィークの尾瀬(群馬)
(画像=『たびこふれ』より引用)

鳩待峠は真っすぐ進むと尾瀬ヶ原の玄関口である山ノ鼻へ、右に進むとアヤメ平へ、左に進むと至仏山頂への起点になっています。

鳩待峠(標高1,591m)から山ノ鼻(標高1,400m)へ下る

  • 距離:3.3km、所要時間:下り1時間、登り1時間10分(無冠雪期)
ゴールデンウィークの尾瀬(群馬)
(画像=『たびこふれ』より引用)

鳩待峠にて。この看板を見ると尾瀬に来たんだなと実感が湧きます。しかし、ここ鳩待峠は尾瀬の玄関口。これから尾瀬ヶ原に向かって山を下ります。鳩待峠が標高1,591m、山ノ鼻が標高1,400mですので、191m下ることになります。

ゴールデンウィークの尾瀬(群馬)
(画像=『たびこふれ』より引用)

尾瀬ヶ原への入口です。手前の緑のマットは種子を落とすために設置されています。マットで靴底の泥を落とし、移入植物の進入を防ぎましょう。

※日帰りの方は帰りのシャトルバス・タクシーの時間を必ず確認しましょう

ゴールデンウィークの尾瀬(群馬)
(画像=『たびこふれ』より引用)

鳩待峠からいきなり雪道になります。これくらいの積雪ならチェーンスパイクでも行けるのですが、僕は持っていなかったため、アイゼン(6本爪)を付けて進みます。雪道に慣れている人は何も付けずに歩いていましたが、ところどころ急な斜面もありますので、滑り止めは必携です。

ゴールデンウィークの尾瀬(群馬)
(画像=『たびこふれ』より引用)

雪道が続くと思いきや、木道が現れました。2023年は雪が少ないと言われていましたので、雪道と木道が交互に続いていました。木道は急な傾斜のところはゴム製の滑り止めが装着されていました。

ゴールデンウィークの尾瀬(群馬)
(画像=『たびこふれ』より引用)

アイゼン(滑り止め)を外すタイミングが微妙です。木道が現れたと思ったら、再び雪道に変わります。

ゴールデンウィークの尾瀬(群馬)
(画像=『たびこふれ』より引用)

途中、数か所休憩スペースが設置されています。この時期はベンチが濡れていることが多いのでレジャーシートを持参することをおすすめします。

ゴールデンウィークの尾瀬(群馬)
(画像=『たびこふれ』より引用)

鳩待峠から山ノ鼻までは川上川沿いに登山道が設置されています。

ゴールデンウィークの尾瀬(群馬)
(画像=『たびこふれ』より引用)

このように木道が痛んでいるところには赤いテープが貼られています。足の置き場に注意が必要です。

ゴールデンウィークの尾瀬(群馬)
(画像=『たびこふれ』より引用)

途中、左手に日本百名山の至仏山(2,228m)がうっすらと見えていました。

ゴールデンウィークの尾瀬(群馬)
(画像=『たびこふれ』より引用)

テンマ沢はミズバショウの群生地があります。まだまだつぼみの状態ですが、5月中旬には一気に開花するのでしょう!

ゴールデンウィークの尾瀬(群馬)
(画像=『たびこふれ』より引用)

木道は約10年に一度取り替えます。木道の色を見ると新旧の木道が一目瞭然です。

ゴールデンウィークの尾瀬(群馬)
(画像=『たびこふれ』より引用)

木道には年号が印字されています。ここは2022年に取り替えられた木道です。

ゴールデンウィークの尾瀬(群馬)
(画像=『たびこふれ』より引用)

下り坂を終え、平坦になりましたが、登山道が雪に覆われているので人の残した足跡やピンクのリボンを頼りに進みます。

ゴールデンウィークの尾瀬(群馬)
(画像=『たびこふれ』より引用)

川上川にかかる山の川上橋を渡ると山ノ鼻はまもなくです。

ゴールデンウィークの尾瀬(群馬)
(画像=『たびこふれ』より引用)

山ノ鼻の山小屋が見えてきました。

山ノ鼻(標高1,400m)

山ノ鼻は尾瀬ヶ原への南の玄関口。こちらにはビジターセンター、公衆トイレ、山小屋が3軒あります。

ゴールデンウィークの尾瀬(群馬)
(画像=『たびこふれ』より引用)

鳩待峠から下ってくると最初にあるのが尾瀬山の鼻ビジターセンターです。開館期間は例年5月中旬から10月下旬まで(期間中無休)、開館時間は7:30~16:00です。ゴールデンウィークは閉館していますのでご注意ください。

ゴールデンウィークの尾瀬(群馬)
(画像=『たびこふれ』より引用)

次に公衆トイレがあります。有料です。尾瀬にはたくさんの100円玉を持参しましょう。ゴールデンウィーク期間中は男女兼用になります。

ゴールデンウィークの尾瀬(群馬)
(画像=『たびこふれ』より引用)

山ノ鼻で最初にある山小屋が至仏山荘です(2023年のGWは営業していました)。

ゴールデンウィークの尾瀬(群馬)
(画像=『たびこふれ』より引用)

続いて山の鼻小屋(2023年のGWは営業していました)。

ゴールデンウィークの尾瀬(群馬)
(画像=『たびこふれ』より引用)

最後に尾瀬ロッジがあります(2023年のGWは営業していました)。

尾瀬ヶ原(おぜがはら)

ゴールデンウィークの尾瀬(群馬)
(画像=『たびこふれ』より引用)

尾瀬ヶ原は、東西6km、南北4kmの広さを誇る本州最大の高層湿原です。尾瀬ヶ原をとり囲む山々は、火山活動を繰り返し、100万年ほど前にはほぼ現在の姿になったと考えられています。数十万年前には、燧ケ岳(ひうちがたけ)が噴火を始め、やがて只見川がせき止められて、尾瀬ヶ原や尾瀬沼の原形ができあがりました。(案内ボードから引用)

山ノ鼻(標高1,400m)から牛首分岐(標高1,400m)へ

  • 距離:2.2km、所要時間:50分(無冠雪期)
ゴールデンウィークの尾瀬(群馬)
(画像=『たびこふれ』より引用)

山ノ鼻は尾瀬ヶ原の南側の玄関口になります。ここから北へ向かって歩くと尾瀬ヶ原が広がります。

ゴールデンウィークの尾瀬(群馬)
(画像=『たびこふれ』より引用)

ゴールデンウィクの尾瀬はまだまだ雪の中です。2023年は雪が少ない年と言われていたので、木道には雪が積もっていませんでしたが、周囲はまだまだ雪が残っていました。

ゴールデンウィークの尾瀬(群馬)
(画像=『たびこふれ』より引用)

尾瀬ヶ原にはいくつかの川が流れています。山ノ鼻を出発して最初の橋・原の川上橋を渡ります。尾瀬ヶ原を流れる川沿いは細長い林が形成されています。これを拠水林(きょすいりん)と呼ばれています。

ゴールデンウィークの尾瀬(群馬)
(画像=『たびこふれ』より引用)

尾瀬ヶ原にもところどころにミズバショウが咲いていました。

ゴールデンウィークの尾瀬(群馬)
(画像=『たびこふれ』より引用)

ゴールデンウィークの尾瀬ヶ原はたっぷりの雪解け水を貯えています。まさに水の天国です。

ゴールデンウィークの尾瀬(群馬)
(画像=『たびこふれ』より引用)

山ノ鼻から牛首分岐の間に逆さ燧(ひうち)ポイントがあります。その名の通り、晴れていて、無風の時は水面に映り込む燧ケ岳を見ることができます。

ゴールデンウィークの尾瀬(群馬)
(画像=『たびこふれ』より引用)

山ノ鼻から牛首分岐まで広がる湿原は上田代と呼ばれています。

ゴールデンウィークの尾瀬(群馬)
(画像=『たびこふれ』より引用)

牛首分岐です。真っすぐ進むと竜宮を経て、見晴(みはらし)です。左に曲がると東電小屋を経て赤田代です。ただし、ゴールデンウィークは東電小屋が営業開始前のため、途中の橋が架かっていません。休憩場所なのでここで休憩するのも良いでしょう。

ゴールデンウィークの尾瀬(群馬)
(画像=『たびこふれ』より引用)

イモリが木道にいました。踏んづけてしまわないように注意しましょう。

牛首分岐(標高1,400m)から竜宮小屋(標高1,400m)へ

  • 距離:2.2km、所要時間:40分(無冠雪期)
ゴールデンウィークの尾瀬(群馬)
(画像=『たびこふれ』より引用)

牛首分岐を過ぎ、しばらくすると下の大堀川橋を渡ります。牛首分岐から竜宮小屋まで広がる湿原は中田代と呼ばれています。

ゴールデンウィークの尾瀬(群馬)
(画像=『たびこふれ』より引用)

景色がきれいなところは、このように木道が分岐しています。

ゴールデンウィークの尾瀬(群馬)
(画像=『たびこふれ』より引用)

途中、左に進むと下の大堀川に群生する水芭蕉群生地があります。ここで撮影される水芭蕉とバックに至仏山の写真が尾瀬ヶ原のメイン写真に使われていることが多いです。

ゴールデンウィークの尾瀬(群馬)
(画像=『たびこふれ』より引用)

竜宮尻が見えてきたら、竜宮分岐までもうすぐです。

ゴールデンウィークの尾瀬(群馬)
(画像=『たびこふれ』より引用)

竜宮尻は竜宮現象と呼ばれ伏流点と湧出点があります。水流が地中に吸い込まれ、別の場所から湧き出しています。

ゴールデンウィークの尾瀬(群馬)
(画像=『たびこふれ』より引用)

目の前に龍宮小屋が見えてきました。後方は東北最高峰の燧ヶ岳(ひうちがたけ)です。

ゴールデンウィークの尾瀬(群馬)
(画像=『たびこふれ』より引用)

龍宮小屋の手前に竜宮十字路があります。その名の通り、道が十字になっていて、正面に進むと龍宮小屋を経由して見晴へ、右に曲がると富士見峠へ、左に曲がるとヨッピ吊橋を経由して東電小屋へ木道が繋がっています。

龍宮小屋(標高1,400m)

ゴールデンウィークの尾瀬(群馬)
(画像=『たびこふれ』より引用)

龍宮小屋は尾瀬ヶ原の中心から少し北へ向かったところにあります(2023年のGWは営業していました)。山小屋の営業はしていましたが、昼食の営業はしていませんでした。

ゴールデンウィークの尾瀬(群馬)
(画像=『たびこふれ』より引用)

龍宮小屋の北側にある建物が公衆トイレ(有料)です。ここまで鳩待峠、山ノ鼻、竜宮に公衆トイレがありました。

ゴールデンウィークの尾瀬(群馬)
(画像=『たびこふれ』より引用)

竜宮を過ぎると沼尻川を渡り下田代へ続きます。この先、35分で見晴へ到着します。僕は天気が悪かったのと時間の関係で竜宮で折り返しました。

竜宮小屋(標高1,400m)から牛首分岐経由、山ノ鼻(標高1,400m)へ戻る

  • 距離:4.2km、所要時間:1時間30分(無冠雪期)
ゴールデンウィークの尾瀬(群馬)
(画像=『たびこふれ』より引用)

竜宮から山ノ鼻へ戻りましょう。帰りは雨が降り、霧がかかり、幻想的な風景になりました。

ゴールデンウィークの尾瀬(群馬)
(画像=『たびこふれ』より引用)

この時期の午後からはハイカーとほとんど出会わないので、尾瀬ヶ原を独占している気分でした。

ゴールデンウィークの尾瀬(群馬)
(画像=『たびこふれ』より引用)

山ノ鼻に戻り、夕食を食べ、外に出るとうっすらと月が出ていました。明日は晴れるかな?