■内閣人事局

霞ヶ関の省庁の縄張り争いについて、かねてから「省あって国なし、局あって省なし」と言われるような状況であった。そこで、この縦割り行政を改革し、一省庁のためではなく、国家全体のために働く官僚を養成するという名目で、2014年5月30日に創設されたのが内閣人事局である。この組織は内閣官房の下に置かれ、内閣が各省庁の幹部職員の人事を一元的に扱うことに決まった。

ところが、実際に運用してみると、プラスよりもマイナスのほうが大きくなった。制度自体に問題があるのではなく、運用に歪みがあったのである。

人事権が官邸に移るということは、皆出世したいので、幹部官僚は官邸のご機嫌を伺うようになる。それが、森友、加計、「桜を見る会」に見られるような忖度行政につながったのである。