■一方で女性にラブレターを送りつけ……!
この頃、ジョージはベルトンに戻り、空き家になっている母親名義の高級住宅に住み始めた。そして地元のセメント会社に就職し、生計を立てるようになった。しばらくすると潔癖性が悪化し、邸宅内、プール、庭など、すべてを完全にキレイにしていなければ気が済まないようになった。近隣住民は、ゴミ収集車に怒鳴りつける彼の姿を度々目撃し、交流を避けるようになった。ますます孤独になったジョージは、殻に閉じこもり、世間の女性に対する怒りをさらに蓄積させていった。
1991年2月、一等水夫のIDカードを再取得しようとしたものの却下されると妄想も悪化し、ラスベガスにあるFBIの事務所へと直接足を運んでは「世の中の白人女性が、自分に対して陰謀を企てている」と訴えるまでになっていたという。
そんな女嫌いのジョージだが、近所に住む19歳と21歳の姉妹に好意を寄せており、1991年6月には5ページにわたる支離滅裂なラブレターを匿名で送りつけている。その中には、「テキサスのベルトンとは皮肉な街だ。最高の女性もいれば、最低な女性もいる。きみたち姉妹はその片方だ。そして、おびただしい数の悪女がもう片方にいる。私は何があってもこのちっぽけなテキサスの町のはびこる毒蛇女たちに勝つ」と書かれていた。
ラブレターを読んだ姉妹とその母親は、気味悪がって地元警察に相談した。しかし警察は、「現時点ではなにもできない」と言うばかり。そこで彼女たちは、近くの病院の理事に「こういう手紙を送りつけた男がいるのだが、どうにかならないか」と尋ねた。手紙を目にした理事は、「この男は何か恐ろしい行為に及ぶかもしれない非常に危険な人物だ」と危機感を抱いた。