ネクタイの裏側に飛び出ている細い糸は、切ってはいけない
ネクタイの太いほうの先の裏側を見ると、細い糸がたるんで出ていることがあります。生地の糸が外に出てしまったのかなと思って切ってしまいがちですが、実はこの糸を切ってしまうと、ネクタイがすぐにボロボロになってしまいます。
これは「スリップステッチ」と呼ばれる糸で、ネクタイの中心に長く1本だけ仕立てられています。この糸があることでネクタイが伸び縮みしやすく、首にしめたときの苦しさが軽減されたり、結び目がきれいに作れたりします。そんな糸を切ってしまうことは、ネクタイをダメにしてしまうことなので、絶対に避けなければなりません。たとえ飛び出たままでも、ネクタイは問題なく使用できます。
もし、切ってしまった場合はすぐ糸の根本で玉結びをすれば、ある程度のほつれは防ぐことができます。ただ、それだと格好悪いなどという理由で元通りにしたい場合は、プロの職人さんに相談すると良いでしょう。
くす玉の「くす」とは、「薬」のこと
現在、くす玉といえばお祝いごとで割って使われるものですが、由来は違います。
くす玉が日本に伝わってきたのは平安時代、もともとは中国で魔除けの縁起物として薬草や香草などを玉の形に束ねて作られたもので、無病息災や長寿の願いが込められていました。日本では端午の節句に魔除けとして使われていたそうです。くす玉という名前は、薬草を使って束ねた玉、「薬の玉」を略して名付けられました。
後にくす玉の文化は変わっていき、どんどん派手に飾られていくようになり、現在のようにお祝いごとで使われるようになりました。ちなみにくす玉がお祝いごとの象徴として知られるきっかけとなったのは、NHKの『紅白歌合戦』だそうです。1955年放送の第6回で優勝したチームがくす玉を割ってお祝いしたことから世間に知られるようになり、それを真似てさまざまなところで使われるようになったそうです。また中に紙吹雪や風船などを入れたものも、『紅白歌合戦』が最初だと言われています。