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現在、大流行のSUVにとって源流となったクルマの1つ
RVほぼ皆無から大逆転したクリエイティブ・ムーバーの第2弾
現在、大流行のSUVにとって源流となったクルマの1つ
日本車の歴史には1970年代以降、おおむね10年ほどのサイクルで歴史の転換点が訪れ、それまでの流行から一気に別なジャンルへと変わる傾向がありますが、1990年代は日本車黄金期とも言われる数々の高性能車…もさることながら、一番はやはり「RV」でしょう。
今回は「歴史と文化(90 ‘)」として、1990年代RVブームの代表、かつ現在まで続く「クロスオーバーSUV」への転換点となったクルマの1つとして、ホンダの初代CR-Vを紹介します。
確かに流行はしたものの装備も構造も一般ユーザーには不要なものばかりでオーバースペックだった、三菱 パジェロのようなクロカン(クロスカントリー車)に代わり、安価で経済的な乗用車、しかしカタチはクロカンそのものというのが初代CR-Vの斬新なところ。
これを契機に、「そうか!ユーザーはクロカンじゃなく、クロカンのカタチをしたクルマが欲しいだけだったんだ!」と気付いたメーカー各車は、同種のクルマを多数生み出し、やがて世界中でSUVブームになるのでした。
RVほぼ皆無から大逆転したクリエイティブ・ムーバーの第2弾
1990年代に入ってバブル崩壊直前からRVブームが一気に花開き、1980年代の静かなブームからこの種のクルマを作ってはタマゴを温めるように育ててきたメーカー各社は、大いに潤ってシェアを伸ばしていきます…三菱やスバルがその典型例でしょうか。
他にはその種のクルマはあったものの新鮮味という意味で弱かったトヨタや日産、販売網や車種を増やしすぎた反動で支離滅裂になっていたマツダといった具合ですが、大した準備もなくいきなり放り出されて四苦八苦していたのがホンダです。
慌てていすゞやローバーからOEM供給を受けたクロカンを売りつつ、乏しい社内資源から否定されかけていた企画を掘り起こして初代オデッセイを1994年に発売、初代シビックをしのぐ空前の大ヒットを記録しますが、それはまだ序章に過ぎません。
実はオデッセイは「クリエイティブ・ムーバー」という一連の新型RV群の尖兵に過ぎず、第2弾、第3弾と次々にヒットさせていって、RVがほぼ皆無という状況から「RVで儲けてF1をやるメーカー」とまで言われるようになっていきます。
そしてオデッセイに次ぐクリエイティブ・ムーバー第2弾が、1995年に発売されたホンダ初の自社製SUV専用車種、初代CR-Vでした。