ポット栽培でパパイヤの未来をひらく

沖縄のフルーツと言えば、マンゴーやパイナップルのイメージが強いですが、パパイヤもあります。イリチー(炒め煮)などにされる青パパイヤとは別の、フルーツパパイヤが石垣島で栽培されています。
300坪で約1700本のパパイヤの木を有する農業生産法人『石垣島パパイヤ』。18年前に設置したハウスで、「石垣珊瑚」を育てています。沖縄の庭先や畑の隅にパパイヤの木を見かけることはありますが、商業栽培にするにはハウスが必要だったと玉城真男さんは言います。「パパイヤ生育の最低温度は15度。気象台が発表する温度が20度であっても、放射冷却の影響でここでは温度計が13度を指すことも。また、露地栽培では夏場の台風で全滅する、畑だと連作障害を起こす恐れがあるので、ハウスを建てました」。
ハウス内を見てみると直径80cmのポット(鉢)が整然と並んでいて、そのポットは地中に埋まっていました。「夏場の高温対策のため、井戸水のように地面を落とせば涼しくなるという発想でした。障害が発生したらポットを外に出すことができますし、また、パパイヤが生長した際にポットの転倒を防ぐこともできます。穴を一つ掘ってポットを埋めるのに6000円かかりますが、ずっと使えるので有効な手立てだと思っています。」と玉城さんは説明します。

アメリカの影響を受けてサンライズ種の栽培に最初取り組んできましたが、石垣島では着花がうまくいかず、生産量は通常の半分にしか達しませんでした。そこで、雌木だけで着花する石垣珊瑚(2008年に開発、品種登録)に切り替えたところ、順調に栽培できるようになりました。「地面から実がつく特性からハウスの天井の高さ3メートルまでずっと実をつけることになり、生産効率が良くなります。台風、連作障害、冬場の寒さ、着花しないなどさまざまな課題をクリアしているのがこの品種と栽培方法でした」と玉城さんはこの品種がいかに優秀であるかを話しました。雌木だけで着花するという特性から、パパイヤを割ってみると中にはほとんど種がありません。


現在は同市内のホテルやスーパーなどに卸しています。ホテルのシェフからは、サイズが大きいためにカットしやすく、ビュッフェに出す手間が少なくて良いと好評です。また、そこで食べたパパイヤの味に感動して、生産現場が見たいとタイ人女性がここに訪ねてきたこともあったそうです。4年前に黒腐病を経験して、順調に栽培が進んでいた時期の出荷量にまでは回復していませんが、栽培方法を確立してさらに出荷量を増やしていきたいと玉城さんは意気込んでいます。
提供元・Business Journal
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