「新鮮で安全な魚を家族に食べさせたい」想いから創業
2022年3月公開のYouTube動画で、FreshToHomeの共同創設者兼CEOであるShan Kadavil氏は、同社の設立背景を語った。同氏は元々はエンジニアであった。米国サンフランシスコを本拠とするZyngaでFarmVilleなどのゲーム開発で成功を納めた後、2009年にZyngaにおけるインドのローカルマネージャーとして生まれ故郷のインドに戻ってきた。
南インドの水の都と言われる自然豊かなケララ州で生まれ育ったShan Kadavil氏は子どもの頃から大の魚好きであった。しかしながら、同氏が働いていたハイテク産業の中心地バンガロールのような大都会において新鮮な魚を買うことは困難だったようだ。
そこで一消費者として利用し始めたのが、SeaToHomeという新鮮な魚をバンガロールやニューデリーなどの大都市に販売するオンラインプラットフォームであった。SeaToHomeは、後にFreshToHomeの共同設立者となるMathew Joseph氏が運営。Joseph氏は、水産物取引のエキスパートであったが、ECサイトに関しては専門外であったうえ、景気の悪化なども追い打ちをかけ、2014年にSeaToHomeを閉鎖することとなった。
当時、SeaToHomeのレギュラーカスタマーであったKadavil氏にとって、新鮮な魚が食べれなくなったことは、自分自身だけの問題ではなかった。当時、同氏の子どもはまだ小さく、インドで通常売られている魚に保存料として使われているホルマリンなどの化学薬品が健康に及ぼす影響に不安があった。そこで、Kadavil氏はSeaToHomeの運営者であったJoseph氏にコンタクトし、FreshToHomeの原型となる構想を切り出したのである。
その翌年2015年にKadavil氏が最高経営責任者(CEO)、Joseph氏が最高執行責任者(COO)を務めFreshToHomeがスタートした。当初8人の従業員からスタートしたが、現在その数は5,000人にまで増えている。現在は160都市でサービスを提供している(参考)。
2021年からリアル店舗をオープンし、オムニチャネルでの相乗効果を狙っている。コンビニタイプの店舗も含めると2023年段階ですでに100店舗以上となったと、Kadavil氏はYouTube動画で語っている。
2019年にはアラブ首長国連邦にも進出。2023年時点で、サウジアラビアでの立ち上げに取り組んでおり、今後、他のGCC諸国への展開も示唆している。
参考・引用元:FreshToHome
FreshToHome App Store/Google Play
(文・CANAL.KASAI)