新鮮な食材を産地から自宅に直接届ける
FareshToHomeのeコマース・プラットフォームの使い方は簡単。専用のアプリ、もしくはECサイトから現在地を入力すると、その場所から24~36時間以内に配送可能な水産物、鶏肉、肉類、果物、野菜などの食品が表示され、購入すると自宅の玄関先まで届けられる(参考)。
独自の物流と配送ネットワークにより、スケジュール管理を徹底し、特別なことがなければ99.99%の確率で時間どおりに配達するというから驚きだ。

Image Credits:FreshToHome Google Play
水産物は、インドにある5,000の港のうち、新鮮な魚を提供するのに最適な300の港を厳選。3,000人の漁師と直接取り引きをしている(参考)。一方、肉類は、契約農場の飼育段階では肥育ホルモン剤などの不使用、出荷段階では保存料の不使用を一気通貫して管理している。
Kadavil氏は、自社ブログで次のように語っている。
“FreshToHomeは、100%防腐剤・抗生物質不使用の新鮮な魚介類、肉類、肉製品を誰もが利用しやすく、手頃な価格にするという革命のパイオニアであり、それが当社の提供するプラットフォームの最大の価値である。”
そのような高品質の製品を手頃な価格で迅速に提供している秘訣は、調達からサプライ・チェーン、配送の仕組みに至るまでの徹底した効率化にある。
一つは、テクノロジーを取り入れた効率化。例えば、製品をアプリもしくはサイトから購入した場合、バックエンドでは、加工工場とリアルタイムでリンクしており、肉もしくは魚が工場に到着してから数時間以内に配送される。さらにIoTベースの内蔵センサーにより、0〜4°Cの範囲に保つ24時間体制のコールドチェーンを確立している(参考)。
もう一つは、サプライチェーンの仕組み自体の効率化。仲介業者を完全に排除することで、産地から消費者までスピーディーに製品を届けることができるので、保存料など化学薬品不要の新鮮な食品を届けることが可能になる。中間マージンをカットすることで、リーズナブルな価格での提供も可能にしている。
FreshToHomeが重視しているのは、顧客だけでなく、漁師・畜産者にとってもサステナブルなサプライチェーンだ。自社ブログによると同社は“Commodities Exchange”(商品取引所)と呼ばれる漁師や畜産者とリアルタイムで取引するためのAI技術を活かしたアプリを開発。仕入れ先と、スマホのカメラを使用しながら直接商談することを可能にし、十分な利益の提供を保証している。
FreshToHomeの競合の一つには、2015年に設立されたLiciousがあげられる。同社もデータ分析と機械学習アルゴリズムを使用してサプライチェーンを最適化し、農家や漁師から新鮮な肉や魚介類を直接調達する手法を取り入れている(参考)。
実際に、2024年3月12日段階のGoogle評価で、Liciousが4.1(151,762 票)であるのに対して、FreshToHomeは、4.6(103,487 票)である。Liciousよりも票は少ないものの、FreshToHomeの高い顧客満足度がうかがえる。
なおFreshToHomeの顧客維持率は3回目の購入において90%であるという。ECプラットフォームを提供しているグローバル企業Shopifyのデータによると、顧客の購入リピート率は業界ごとの違いはあるものの平均で約28%程度。そのことからもFreshToHomeが顧客から支持されていることが伺える。