■コロナ禍が決定打か

組合が時間をかけて指導したことで、少しずつ押し売りをする店が減っていった。さらに、コロナ禍で甘栗店を含む多くの飲食店が閉店したことが決定打になったようだ。

ただ、必ずしも甘栗店にとってマイナスなことばかりではないという。石河さんは、「商売の選択肢が増えたと見ることもできます。コロナ禍で密にならず食事するよう要請されていたため、外で食べ歩く店舗が増えました。コロナ前は食べ歩き店舗は40店舗ほどでしたが、コロナを経て70店舗まで拡大したんです。甘栗を売っていた店舗がいちご飴を販売するなど、ニーズに応じて業態を変えて営業を続けています」と説明する。

今回の取材の際、中華街に足を運んだが、フルーツ飴や焼売串、台湾唐揚げなど食べ歩き店舗がかなり増えた印象を受けた。時代の流れと共に、中華街も日々変化し続けているのかもしれない。