快足MF遠藤を活かすためのポジショニング
INAC神戸戦終了後、栗島は筆者の質問に回答。WEリーグ屈指の快足MF遠藤(右サイドバック)を敵陣に立たせるべく、味方センターバックとサイドバック間へ降りたことを明かしている。この栗島の的確なポジショニングによって遠藤が高い位置をとれるようになり、攻撃性が遺憾なく発揮された。
ー遠藤選手との関係性についてお伺いします。前半途中から栗島選手が味方センターバックとサイドバックを繋ぐ位置へ降りていましたね。そのおかげで遠藤選手が攻め上がれたように見えました。(ピッチ上で)何を感じてあのポジションをとったのか。ぜひ教えてください。
「優の特長は繋ぎの部分(自陣で配球役を担う)より、前へ出ていくことにあると思います。(遠藤が高い位置をとると)相手にとって脅威だと思うので、そこは活かしたいなと。自分がそこに立つことで、相手のプレッシャーがずれるのを感じた(思い通りに守れていない様子が分かった)ので、そのポジションに入りました」
ーINACのインサイドハーフ、成宮唯選手が守備対応で困っている感じがしました。栗島選手から見て、困っている様子は窺えましたか。
「はい。優がそこ(低い位置)でシンプルにボールを受けるよりも、(遠藤が)前に出ることで相手のマークがずれていくのを感じました」
仙台戦でも遠藤をサポート
3月20日に行われたWEリーグ第11節マイナビ仙台戦でも、ボランチの栗島が右サイドバック遠藤をサポート。INAC神戸戦と同じくセンターバック石川と遠藤の間へ降り、ゴールの起点となった。
両チーム無得点で迎えた前半13分、栗島がセンターバック石川と右サイドバック遠藤の間へ降りたことで、守備隊形[4-4-2]のマイナビ仙台のFWカーラ・バウティスタ(左サイドハーフ)が釣り出される。これにより開いたマイナビ仙台のサイドハーフとサイドバックの間で遠藤がフリーになり、ドリブルでチャンスメイク。遠藤のパスを受けた清家がペナルティエリア右隅から強烈なシュートを放ち、浦和に先制点をもたらした。
このゴールで勢いづいた浦和は前半44分にも右サイドから速攻を仕掛け、これをFW島田芽依が結実させる。その後スコア2-0のまま逃げ切り、首位INAC神戸と勝ち点差1で肉薄している(INAC神戸27、浦和26)。