カードはポイントで選ばれる時代

 発行会社側はカードのお得さで集客を図ろうとしている印象があるが、一方で消費者側がカードを選択する場合、どのような基準で選ぶことが多いのだろうか。消費者側の視点について聞いてみた。

「今の消費者はポイントで選ぶ傾向が強いです。『ポイ活』という言葉も定着した結果、クレジットカードは昔の『怖いもの』という認識から『お得なもの』という認識に変わりました。お得さを訴える記事も多いからでしょう。割引サービスの付いたカードもありますが、やはり消費者を集めやすいのは付与ポイントの高いカードです。でもキャンペーンなどで一時的に高還元になっているポイントは意外と有効期限が短いものが多く、集客につながっていても消費者側はポイントを失効してしまうことが多いようです」(同)

 クレジットカードは付与されるポイントで選ばれる時代になったようだ。コモディティ化が進んだことを表しているのだろう。そしてゴールドカードもステイタス性ではなくお得さが目立つようになった現在、年収1000万円以上の高所得者はどのようなカードを選ぶようになっているのだろうか。アンケートデータを取ったわけではないと前置きしつつ、高所得者のパターンとして次のような傾向がみられると足澤氏はいう。

「高年収の人々は必ずしもステイタスでカードを選ぶわけではありません。高所得層にはマネーリテラシーの高い人々が多く、よりお得なカードを求めるべくポイントやマイルの還元率といったお得さで選んでいる傾向があります。」(同)

 足澤氏は「クレジットカードランチ」なるものを開催していたことがあり、それぞれが持つカードの特徴について語り合う機会を設けていたという。そこで高所得者が選びがちなカードを知ったようだ。高所得者もポイントを重視するとは意外な印象である。