エドマンド・エミール・ケンパー三世ことエド・ケンパーは、テッド・バンディに次いで研究された連続殺人犯とも言われる。身長206cmの巨体にIQは145と、心身ともに恵まれた男を恐るべきシリアルキラーにしてしまったのは、残念なことに実の母親であった。

■怪物の幼少期
エド・ケンパーは1948年12月18日米カリフォルニア州バーバンクに生まれた。父エドムンド二世と母クラーネルは共に大柄だったらしく、その体格を受け継いだケンパーは出生時の体重がすでに5.9kg、4歳頃までは同年齢の子供たちより頭一つ大きかったという。
クラーネルはヒステリックで非常に口うるさい女だった。夫婦仲もあまり良くなかったようで、夫似のケンパーを嫌っていたらしい。しつけと称して地下室に閉じ込めることもしばしばで、唯一の出口である床の扉の上にダイニングテーブルを乗せ、ケンパーが自力で抜け出せないようにしていたという。
ケンパーが9歳の時、父は耐えられず家を出て行ってしまった。クラーネルはアルコールに溺れ、精神を病むようになり、ますますケンパーに厳しく当たるようになった。さらに息子が妹をレイプするという妄想に取り付かれ、ケンパーは外から施錠された地下室で寝ることになった。
多くのシリアルキラーと同じく、ケンパーの犯罪は動物虐待から始まった。10歳の頃、彼は飼い猫を生き埋めにして殺し、その死体の首を切り落として棒の上に突き刺した。13歳の時にも猫を殺し、その頭部を切り落としてクローゼットに保存していたという。
12歳の頃、ケンパーは学校の先生に好意を寄せていたらしい。それを知った妹が「先生にキスしたいんでしょ?」とからかうと、彼は暗い顔をして「キスするならその前に殺さないと」と話した。実際にケンパーは父親の銃剣を持ち出してその先生の家まで行ったことがあるという。窓ごしにその姿を見ながら、彼女を殺してその死体を犯す空想に浸ったのである。