フロント業務のルーティンタスクを自動化

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それでは、Mark Xの活用例をいくつか紹介していこう。

1つ目は企業やホテル、施設のフロント業務だ。Mark Xはコンテンツやブリーフィング(簡単な説明)をカスタマイズし、毎日繰り返される問い合わせに対応。“ルーティンタスクの自動化”によりフロントスタッフの作業負担を軽減し、フロントサービスの効率を高める。

データ入力をサポートするため、担当者が手動でテキスト入力する作業は不要に。さらに、Mark Xが直接顧客と関わることで、顧客はロボットと触れ合う楽しさを体験でき、企業・顧客双方にメリットがある。

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たとえばショッピングモールでは商品やプロモーション、サービスの詳細を提供。博物館では開館時間、チケット価格、今後のイベントに関する情報を提供することで、来場者をサポートする。

さらに、言語処理機能によって来場者と多言語でコミュニケーションをとれるため、国籍を問わずさまざまな人が施設を利用しやすくなるだろう。

高齢者の「孤独感」「孤立感」を和らげる

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2つ目の活用例には、高齢者支援があげられる。

Mark Xは会話をしたり、物語を語ったり、ゲームをしたりすることでコンパニオンシップ(交友、親交)を提供することが可能。これが高齢者に多いとされる「孤独感」「孤立感」を和らげるのに役立つという。

さらに、語学の家庭教師として機能したり、高齢者の精力的な活動を維持するための教育コンテンツを提供したりすることも可能。個人の特定のニーズや好みに合わせてパーソナライズすることまで可能だ。

ロボット開発のきっかけは、日本の漫画

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Mark Xの開発者は、香港のロボットアーティスト兼デザイナーのRicky Ma氏。彼は日本の漫画「プラレス3四郎」に触発され、ロボットを作るという夢を志すようになったという。

Ricky Ma氏は幼少期から両親に同行し、香港の工業生産ラインに足を運び、手作業からコンピュータによる機械生産への移行を目の当たりにした。この経験は、彼にさまざまな制作技術やスキルの概念を植え付けるものとなる。

その後、Ricky Ma氏は「ロボットが人とコミュニケーションをとり、日常生活を補助する姿を見たい」という子どもの頃からの夢をかなえるべく、ロボットの研究をしながらデザインの仕事と勉強を並行して行った。

そして2016年に、18か月の歳月をかけて女性型のロボット「Mark 1 Robot」を完成させ、世界中のさまざまな報道機関から注目を集めた。2023年には新たな制作手順で構造や衣装などを改良し「Mark 2」を完成させ、今年には新モデルとなるMark Xを発表した。