スウェーデンの中立主義の放棄
クラステフ氏はスウェーデンを挙げ、欧州の中立主義の終わりを説明した。同国だけではなく、フィンランド、スイスの欧州の中立国もウクライナ危機で程度の差こそあれ、中立性を放棄し、ウクライナ支援を鮮明にしてきている。スウエーデンはウクライナに対戦車砲を、フィンランドはライフル銃などの武器供給を実施、ウクライナ支援を鮮明にし、両国内でNATO加盟を要望する声が高まってきた。
このコラム欄でも「フィンランドの『ウクライナ化』」(2022年2月17日参考)で報告した。フィンランドは冷戦時代から中立主義を堅持し、地理的に隣接している大国ロシアとは友好関係を維持してきたが、そのフィンランドでNATOへの加盟を模索する動きが出てきた。
フィンランド国営放送YLEの世論調査(ウクライナ侵攻開始直前の2月23日に開始)によると、同国で初めて国民の過半数(53%)がNATO加盟を支持、反対は28%だった。2年前の世論調査では加盟賛成は20%に過ぎなかった。
なお、同じ中立国スイスは2014年のロシアのクリミア併合を非難したが、対ロ制裁には加わらなかった。そのスイスは先月24日、ロシアのウクライナ侵攻を受け、EUによるロシア人の資産凍結に参加を決めている。