すべてのスタッフが同じ方向を向くために、知りたいのは応募者と会社の「水が合うかどうか」
反発も覚悟のうえで、それでも松山氏は採用ポリシーを世に広く訴えたかったということだ。賛成するにも批判するにも、そこに込められた思いや目的を知っておくことは必要だろう。
「前提として、人材採用において重視しているものが他社とは異なっていると思います。基本的に、ゲーム業界はどこも人手がまったく足りていません。できるだけ人材を多く確保したい、しかも即戦力が欲しいという会社が多くなります。そういった企業が第一に見ているのは能力です。当社はもちろん能力も見ていますが、それ以上に『能力の発揮のしかたを当社に合わせることができるか』という点を重視しています」
仕事において能力を十分に発揮できるかどうかは、会社と水が合うかどうかが極めて重要だと松山氏は強調する。会社のポリシーを理解したうえで応募してくれた人であれば、応募数は少なくても当社に向いた人に絞られ、かえって話が早いというわけだ。人は会社と歩みを同じくして成長していくものであり、むしろ能力はあっても他社のやり方に凝り固まっている人は厳しい。すべてのスタッフが同じ方向を向いて進んでいくことがベストだと、松山氏は考えているのだ。