歴史の浅いアメリカではあるが、その地理的な懐の深さゆえに“陸の孤島”に先祖代々住み身内だけでコミュニティを形成する「近親婚家族」が今もその血脈を繋いでいる。社会的にもモラル的にも賛同することはできないそうした近親婚家族には、実は人々に愛されているファミリーも少なくない。そうした家族の1つがバージニア州の集落に暮らすウィッタカー家である。

動画公開後一躍注目された近親婚家族、ウィッタカー家

 自由を求めてヨーロッパから多くの人々が“新世界”アメリカに移り住んできたのだが、まだ手つかずの土地を広く占有して居を構えたがゆえに、皮肉なことにその地域の社会的交流が著しく低下して地理的にも的にも隔絶文化された閉鎖的コミュニティが出来上がってしまったケースもある。極端な例ではその地域で何代にもわたって近親者による結婚が繰り返されたりもするのだ。

 そうした「近親婚家族(inbred family)」には“青い肌の一族”として知られるケンタッキー州の「ファゲイト一族」などが挙げられるが、バージニア州オッドの集落に住むウィッタカー家は、ドキュメンタリー映画監督が取材したことでたちまち多くの人々に知られるようになった。

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「Daily Star」の記事より(画像=『TOCANA』より 引用)

 ドキュメンタリー映画監督のマーク・ライタ氏は2004年に最初にウィッタカー家を訪れて取材したのだが、その後に本格的な取材を行い映像ドキュメンタリー『Inbred Family-The Whittakers』を制作し、2020年にYouTubeで公開して多くの注目を集めた。動画をリンクすることはできないので興味のある向きはタイトル名で検索していただきたい。