ALPS処理水の放流後のモニタリング調査では、放流口近辺のトリチウム濃度は国際基準をはるかに下回っており、捕獲したヒラメなど底物の魚体からは検出限界以下という結果しか出てきていない。

中華人民共和国外交部の副報道局長は31日、「日本側に誠意があるなら、直ちに放出を停止し、隣国と十分な意思疎通を行うべきだ」との見解を示した。なにを言っているのか。あんたらがそれを拒否しているのではないか。

そもそもトリチウムは太古の昔から自然に存在するし、中国の原発からも恒常的に福島第一を超えるトリチウムが放出されている。トリチウムはどのトリチウムも同じトリチウムである。色はついていないし、つけることなどできない。

したがって、中華人民共和国外交部の副報道局長は何が言いたいのか——呆れるを通り越して、無知と悪意しか感じ取れない。

中国政府のいう〝核汚染〟の真意

科学的事実に基づけば〝核汚染〟でも何でもない—天然トリチウム水よりもトリチウムが薄い。それがALPS処理水である。何ら問題はないのだが、事態はそれとはもはや関係がないところで進展している。

中国発の迷惑電話は、日本各所にかかってきている。中国語でまくしたて片言の日本語で〝バカヤロウ〟などという。このような嫌がらせ電話は明らかな営業妨害であり、法律違反になる。しかし、中国外務省は「状況を把握していない」の一点張りである。

中国政府は24日の放出前から、〝核汚染水〟キャンペーンを貼ってきた。IAEA国際原子力機関からも安全のお墨付きを得たALPS処理水は核汚染水ではないという科学的根拠に基づく主張を聞き入れることなく、中華人民共和国政府は中国国民の不安感と危険意識を煽りに煽ってきたのである。

厄介な隣国—中華人民共和国

中国は今不動産バブルの崩壊の真っ只中にあり、その悪影響はとりわけ富裕層の間に著しい。そして、大学生の間には「卒業すると即失業」という就職氷河期が蔓延し、若者の失業率は軽く20%を超えると言われている。