中国史上の歴代皇帝は“生ける神”と崇められ強大な権力を誇っていた。その途方もない権力をほしいままにして飽くなき強欲を満たした皇帝たちの非道な特権濫用ぶりが語り伝えられている――。

ハーレム:司馬炎、玄宗

 中国の皇帝の多くは正妻のほかに、多くの側室(妾)をはべらせていた。その数100人以上の女性を側室として囲うのはごく一般的であったのだ。まさに“ハーレム”である。

 西晋の初代皇帝である司馬炎(236-290)は領内に1万人もの側室を抱えていたともいわれ、毎夜、羊が引くリアカーに乗って遊覧していた司馬炎は、羊が止まった場所に一番近い女性の部屋で一夜を過ごしていたという。

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(画像=司馬炎 画像は「YouTube」より,『TOCANA』より 引用)

 一方で唐の第9代皇帝である玄宗(685-762)はその生涯の終わりまでに4万人以上の女性を自分の領土に抱えていた。

 飽くなき女性への執着は晩年まで続き、玄宗は60代の時に自分の息子の妻・楊貴妃に魅かれて離婚させ、彼女を側室の1人に加えたのだ。

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(画像=玄宗 画像は「YouTube」より,『TOCANA』より 引用)

 こうした側室はある種の“奴隷”ではあったが、城内での生活は側室にとってそれほど悪くはなかったといわれている。

 普段は刺繍や縫製などの女性らしい活動で時間を埋めたり、女性同士のコミュニティの中で下位の側室が上位の側室や皇后自身に仕えることも一般的であった。

 とはいえ彼女たちの主な義務は、ベッドで皇帝を喜ばせることであり、この任務に選ばれることは大きな名誉であり、もし皇帝の子供を産むことができれば、女性はあらゆる種類の賞賛と栄誉を受けることになったのだ。