大阪市の中心部でのマンション化率が急上昇

 東京都中央区に次ぐが、東京都千代田区の80.96%で、マンション化率が80%を上回った市区町村はこの2区だけでした。千代田区といえば、大手町、丸の内、有楽町などのビジネス街が代表格で、霞が関、永田町などの官庁街もあり、マンションとは縁遠い世界のように感じますが、最近はビジネス街やショッピング街の再開発において、職住近接型のマンションが設けられることが少なくなく、人気を博しています。また、超富裕層向けのラグジュアリーマンションも続々と誕生するようになっています。それが、高いマンション化率につながっているのでしょう。3位の東京都港区は76.96%、4位の大阪府大阪市中央区は73.80%で、70%台はこの2区だけで、5位以下は60%台以下となっています。

 そのなかで注目しておきたいのが、大阪市の中心部の各区。4位に入った中央区は、本町、淀屋橋などのビジネス街が中心ですが、駅周辺での再開発によって駅直結型の利便性の高い超高層マンションが次々に建設されています。同様に北区はJRの大阪駅、阪急・阪神電鉄などの梅田駅、大阪メトロ各線の梅田駅、東梅田駅、西梅田駅などがある大阪の玄関口ですが、梅田駅を中心に大規模な再開発が進行していて、超高層マンションが林立するようになっています。西区も同様で、大阪メトロの四つ橋線、中央線、千日前線、長堀鶴見線の各線のほか、阪神電鉄の阪神なんば線も走っていて、交通アクセスが充実、各駅の近くでマンションの開発が相次いでいます。

マンション化率が最も低い県&意外に低い大都市圏は?80%超えは2区のみ
(画像=資料:東京カンテイ「マンション化率行政区」,『Business Journal』より 引用)

マンション化率が低下したエリアもある  そんななかではありますが、マンション化率が高いエリアでも、前年と比べれば数値が低下している市区町村もあります。ランキングの上位に挙がった行政区では、東京都千代田区が-0.06%、東京都港区が-0.15%、横浜市西区が-0.32%などとなっています。これらのエリアではマンションも増えているものの、それ以上に戸建住宅に住む人が増えたということでしょう。その結果、マンション化率がわずかとはいえ低下しています。

 エリアによってマンション化率は異なり、また増減に違いがあるので、今後のマンションの販売、竣工動向などを見る上では、このマンション化率のデータをみておくのが有効かもしれません。ある程度の情報は一般にも公開されているので、場所選びの参考にご覧になってはいかがでしょうか。

(文=山下和之/住宅ジャーナリスト)

※東京カンテイ

提供元・Business Journal

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