「早期幕引きを希望している」旨の発言を否定
損保ジャパンの親会社、SOMPOホールディングス(HD)は10月に公表した中間報告書で、損保ジャパンは昨年6月にビッグモーターの部長から「他の損保会社の中で早期幕引きを希望している社がある」との情報を入手したとしていた。また、昨年7月の損保ジャパンの役員会議で、三井住友海上がビッグモーター経由の保険契約を獲得するために同社に対して不正を深く追及しない旨を伝えていると役員の一人が発言したとも報じられている。これについて三井住友海上は今回の報告書で次のように触れている(以下、「b1氏」「b3氏」はビッグモーター幹部)。
<H2社中間報告書には、2022年6月23日頃にH1社の従業員が「C3取締役(注:本報告書でいう b3氏に当たる。)から、他の損保会社の中で、早期幕引きを希望している社があると聞き、C4部長からも、同趣旨のことを聞かされていた」(同21頁)との記載がある。また、同報告書には、同月29日の面談に関して、「損保3社でC4部長(注:本報告書でいうb1氏に当たる。)と面談した際、他の損保会社の担当者から抜け駆けとも受け取れる発言がなされた」(同16頁)、「C4部長と3社保サ部門との面談において、BMが調査委員会の設置に難色を示した際、他の損保会社の担当者からBMにおもねるかのような提案がなされ(た)」(同 21 頁)との記載がある。しかし、本調査によれば、H3社又は当社が、他の保険会社と異なり「早期幕引きを希望」していたという事実や、「抜け駆けとも受け取れる発言」をしたという事実、「BMにおもねるような提案」をしたという事実等を認めることはできなかった。この点、b1氏も、当委員会が実施したヒアリングにおいて、H3 社又は当社が、他の保険会社と異なり「早期幕引きを希望している」旨の発言をしていることを聞いたことはないし、「抜け駆けとも受け取れる発言」や「BM におもねるような提案」をしたという認識もない旨を述べており>
大手損保会社関係者はいう。
「報告書を読んだ感想は『損保ジャパンらしい』の一言に尽きる。ビッグモーターの不正は各損保が個々で対応しても解決できる性格のものではなく、金融庁と連携しつつ業界全体で対処しなければ意味がない。それゆえに大手である3社が音頭をとってビッグモーターおよび金融庁との交渉を進めていこうとなっていたところで、損保ジャパンだけが自社の利益を優先するかたちで裏切った。特に三井住友海上は、損保ジャパン内でビッグモーターとの取引再開のために材料として利用されていたことがわかり、経営陣の怒りは大きいといわれているが、今回の報告からもそれが伝わってくる。それにしても、三井住友海上がここまでビッグモーターと損保ジャパンの悪行をあからさまに公開してしまっているという事実自体が、業界的には興味深い」
(文=Business Journal編集部)
提供元・Business Journal
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