フランスの首都パリとその周囲には、歴史的文化的価値の高いモニュメントが多く残っています。今日はそのうちのひとつ、パリ北方40kmに広がるドメーヌ・ド・シャーリーを紹介しましょう。

その起こりは1137年に建立された僧院

ドメーヌというのは、日本語の「領地」や「敷地」という意味で、王家や、貴族、宗教団体などが所有していた敷地などは、ドメーヌと呼ばれることが多いようです。

例を挙げると、シャンボール城とその周囲の森を指すドメーヌ・ド・シャンボールや、シャンティイ城と周囲の森を合わせた敷地を指すドメーヌ・ド・シャンティイという具合です。

【フランス】パリの北:芸術とバラの楽園ドメーヌ・ド・シャーリー933-298168.jpg
(画像=『たびこふれ』より 引用)

<ドメーヌ入り口 ©Kanmuri Yuki>

ドメーヌ・ド・シャーリーの場合、その起こりはフランス王ルイ6世によって1137年に建てられた僧院でした。翌13世紀は、僧院附属の教会が建てられましたが、これは正面から最奥部までが92mという壮大なスケールを持つ建造物でした。この僧院教会は廃墟となってなお、いまもドメーヌにその壮大な姿を残しています。

バラ園・チャペル・城館などが点在

【フランス】パリの北:芸術とバラの楽園ドメーヌ・ド・シャーリー
(画像=『たびこふれ』より 引用)

<廃墟の後ろ左手に城館、右手にチャペルが見える ©Kanmuri Yuki>

僧院教会の廃墟はドメーヌ入り口から正面に見えることもあり、唯一最大の見どころだと思われがちですが、実はそうではありません。森に囲まれたドメーヌ・ド・シャーリーの敷地には、教会の廃墟以外にも、秘密の花園のようなバラ園、フレスコ画で覆われた美しいチャペル、何千もの美術品を所蔵する城が点在しているのです。

雨の日でも広い城館でゆったりと美術品鑑賞することはできますが、ドメーヌ自体の美しさを堪能するには、できれば晴天の日に訪れたい場所です。